包括的なデザインのよしあし:分業でも完成度が上がる方法とは2024年04月26日 09:18

デザインで飛躍を企む皆さまこんにちは^^

先週末から「包括的なデザイン」について思う(思い出す)ことがいくつかあります。
「デザイン思考」「アジャイル」あたりはよく耳にしましたし、成果もあがっていましたね。私の理解では包括的に短期間で完成度(満足度)の高い問題解決を図る方法、です。
良い事づくめですね。であれば、もっと普及すると思いますが、そうでもなかったようです。光もあれば影もある、ということで一度整理して見ます。

メリット
一貫性の確保:
 ビジュアルやフィールの一貫性が保たれ、全体のデザインが調和する。一貫性はブランド認識を向上させる。
効率の向上:
 各段階ごとの調整や修正が減少するため、プロジェクトのタイムラインを短縮し、効率を向上させる。一貫したディレクションのもと、迅速な意思決定が可能になる。
完成度・満足度:
 完成形からつくられるため、視覚的な要素とインタラクティブな要素、ハードウェアとソフトウェア、製品とウェブサイトなどが同時につくられる。これは、ユーザーにとってより使いやすく、満足度が高い魅力的なプロダクトとなる。

デメリット
リソースの要求レベル:
 各分野に高いスキルを持った複数の専門家の協力が必要となり、プロジェクトのリソースに対する要求が増大する。
複雑さの増加:
 各要素が密接に連動しているため、一つの変更が他の部分に波及しやすく、プロジェクトの管理が複雑になる。これにより、調整とコミュニケーションの負担が増える。
柔軟性の制限:
 初期段階から具体的なスタイルを想定するため、後のフェーズでの変更が困難になりやすい。特にユーザーのフィードバックや市場の変化に迅速に対応する必要がある場合に制約となる。

ざっくりまとめますと、包括的に進めれば早く良いものが出来るが、コストがかかり柔軟な対応もしにくい、と言えそうです。

監督とプレイヤー
包括的なデザインには、チームスポーツにおける「監督」の明確なビジョンがある事も大切です。プレイヤーは監督のビジョン、スタイルを理解してプレイする、ということですね。短期間で成果を出すために、ビジョンを可視化して共有して行くプロセスが必須となります。これ、言うのは簡単だけど実効性をもってやるのってなかなか難しいことです。(どんな仕事でもそうだと言われそうです)

このビジョンが[共有はされているが明文化されていない]、という現場もあるかもしれません。それでもビジョン、モノづくりにおいてはコンセプトがまったくない、ということもないでしょう。(たとえその内容がチープなものだとしても)
役割やアクセス出来る情報によっては共有されたビジョン、コンセプトを推測するのは難しいかもしれません。そこで、情報にアクセス出来る人は可能な限り共有して第一に考える事。また、限られた情報しかなくても仮説を立てて見る事。これが分業であっても完成度を上げるコツです。困った時はどうぞビジョン、コンセプトを確認する行程を考慮してみてください。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://dmc.asablo.jp/blog/2024/04/26/9678344/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.