デザインの始まり 石器の話12025年02月03日 10:33

みなさまこんにちは^^

年頭にデザインの始まりについて石器に触れました。今日はもう少し詳しくお伝え出来ればと。

私たちは何かを美しいと感じる心を持っています。また、自身の活動の痕跡にもこの心が働き、「表現」へと昇華させる力があります。*
石器には私たちの持つこの力の発動を見ることが出来ます。

割れた石の鋭利な形=「切れる」の発見

割れた黒曜石

写真は割れた黒曜石です。
自然の中で、割れた石の端面に触って怪我をしたり、倒木に突き刺さっているのを見たりするなどして「割れた石の端面はものが切れる」ということを発見しました。
そして手に持つのに丁度良いものを道具として使い始めました。

「切れる」鋭利な形を求めて石を割る

石器の再現

写真は石器の原型のひとつを再現したものです。
ほどなくして、割れた石を探すのではなく、自分たちで石を割って使い出します。石器の始まりです。

私はこの「発見」の喜び、「再現」の手応えを生々しく感じます。人として自然で、ものを作ることの喜びに満ちています。

ちなみにこの行為には「誰かのため」という視点は重要ではありません。そこも興味深いこと**なのですが、それはまた別の機会に。

(つづく

*)美しいと感じる心と表現についてはこちらをご覧ください。

**)人が自他の区別を明確に意識するのは個の概念が確立した中世以降、という説があります。真偽は別としても、社会階層の複雑化が進んでいない小規模の集団の中では、自分のためはみんなのため、であったと考えて差し支えないと考えます。

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