沈黙の響き ジョー奥田さんのDVD「美しき神宮の森」2010年11月09日 18:16

ジョー奥田「美しき神宮の森」
ネイチャーサウンドアーティストのジョー奥田さんが制作された 明治神宮鎮座90年記念作品「美しき神宮の森」が到着しました!
写真はそのパッケージ。サイン入りです。(喜)

こちらはユーチューブにアップされたダイジェスト版です。どうぞご覧ください。



東京の真中にあるとは思えない、うららかな森の優しさと時として凛と冴える空気が伝わる事と思います。
DVDには、静かな夜明け、雨の音、月夜、虫の音などなど、四季おりおりの表情が美しい音楽として、多数の写真と動画とともに納められています。
大画面で鑑賞しても、BGMにそっと流しても、静謐な空気が心地よいですね!

話は飛びますが、日本では人が「はやした」ものを林、自然に「もりあがった」ものを森と言い分けてきたそうですね。
自然のスケールからすればごく短時間であろう90年あまりで作られたこの森も、最初はやはり「林」だったのでしょう。それが、いつしか自然の自立した「森」となったのは、自然に寄添った先人の知恵があったのでしょうね。

さて、DVDを鑑賞しますと、数ヶ所に印象的な「沈黙」があります。ジョーさんは「サウンド・オブ・サイレンス(静寂の音)」について語っておられますが、このDVDに納められているのは、静寂というよりも、もっと激しい「沈黙」を私は感じました。
この沈黙には自然の圧倒的な力を感じざるを得ません。映像との組合せだからこそ、無音の時間帯を作る事ができたことと思いますが、その無音部分の映像は、その力がなんとも涼しげに控目にそっと写されているのです。
そして、ヘッドフォンをしてその世界に身を置くように鑑賞するとよく判るのですが、耳元をかすめる虫の羽音や静寂を破る烏の声など自然の中に入った時の本当の感覚、深夜の森の恐怖といったものも、かすかではありますがはっきりと感じとる事が出来ます。この畏怖すべきものこそが、林を森にかえた力なのかもしれません。

これはあくまで私の想像ですが、「沈黙」には自然への畏敬の念が静かな響きとして納められているのでは、、そう思いました。

私の邪推はともかく、自然音の静かで激しくて美しい音楽に浸ってみて下さい、お薦めです!
dmc.
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