デザインの倫理:より良い未来のための創造的な責任2024年01月19日 12:01

デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^

はじめに
前回はユーザーインターフェイスデザインの二つのアプローチ、「情・共感に基づくユーザーインターフェイス」と「普遍性・一貫性・公平性を重んじたユーザーインターフェイス」についてお話しました。このふたつのアプローチの元となる「個と普遍」と言うテーマは、あらゆる人間集団における倫理観に深く関わることだそうです。
今日はデザインの世界で非常に重要なテーマ、この「倫理」に焦点を当ててみましょう。デザインは単なる美的表現以上のものであり、社会的、文化的、環境的な責任を伴うという、そういった自覚的な態度が求められる話です。

ユーザビリティとアクセシビリティ:使いやすさとアクセスの平等
デザインにおいて最初に考えるべきは、「ユーザビリティ」と「アクセシビリティ」です。これは多くの人(理想的には全ての人)が容易に使える、誰にとってもアクセスしやすいデザインを意味します。
ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザインと呼ばれる考え方や、具体的には視覚障害を持つ人々のための読みやすいフォント、車いすユーザーが利用しやすい建築設計などですね。

文化的感受性:多様性の尊重
デザインは文化的な価値や感受性にも敏感です。世界は多様な文化で構成されており、デザインはその違いを尊重し、促進する役割を果たします。文化的剽窃(ある文化の要素を他の文化によって不適切に取り入れられること)や偏見を避け、異文化に敬意を払う事は社会全体に重要なことだと考えます。

環境倫理:持続可能なデザイン
いわゆるエコ、最近ではSDGsという目標に沿う、環境に優しいデザインは今日の必須条件です。リサイクル可能な素材の選択や、環境負荷の低減は、地球に対する責任あるデザインの一環です。私たちの「仕事」が地球に及ぼす影響を常に意識し、持続可能な未来に反する行為は社会悪と見なされつつあります。「社会悪とは過激すぎる」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、このトレンドは逆らえないでしょう。

データプライバシーとセキュリティ:信頼の構築
ネットと繋がるサービスや製品においては、ユーザーのプライバシーとセキュリティは非常に重要です。信頼できるデザインは、ユーザーの情報を守り、安全な体験を提供します。データの扱いにおいて、倫理的な配慮と透明性を確保することは、デザイナーにとっても重要な責任と考えます。

まとめ
デザインの倫理について列挙しました。
これを「通り一遍まともに請け合うのは大変だ」という印象をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、デザインはもともと包括的な問題解決を志向するものです。今とりかかっている開発に突破口が欲しいとお考えでしたら、ぜひこの視点を取り入れて見て下さい。
dmc.
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