重力感2012年02月21日 20:43

先日スカイツリーを見た時に、やっぱり再認識したことがありまして、それは、私たちの構造への視線には、重力への素朴な従属感があるなぁ、ということです。  

スカイツリー
自然に先端が細くなっているデザインが一見自然ですが、これは私たちの感覚的な要求に応えるために採用されたとの事。
技術的にはほとんど真直ぐに建てられるそうですが、そうするといかにも地震に弱く倒れそうに感じてしまうとか。

そういえば、初めて上海のテレビ塔やタワービルを見た時は「折れそうで恐い」という印象を持ちましたが、テレビ塔は確かに真直ぐ延びています。

上海 2006年頃
2006年頃の上海。左がテレビ塔。右奥の金茂大厦(ジンマオ)周辺は上海中心はもちろん森ビルもまだないですね。

 蘇州  虎丘の斜塔
お隣蘇州の「虎丘の斜塔」。ジンマオが参考にしたかどうかは判りませんが、なんとなくにていますね。丘の上にレンガ積みで建てられた塔は約50mの高さ。千年前には威風がはるか遠くまで届いた事でしょう。
それが「いかにも倒れそう」は具合悪いのでしょうか、この塔は先端に行くほど造りが細かくなっています。

近代の重力に逆らうように出来た構造物や、いわゆる「神の視点」から見たときの美を意識したものとはバランスが異なってきますけれど、その文化的な背景を背負った中で「重力感」をどう捉えるか、、これはどの文化においても大切なことには違いないでしょう。

・・ところで、そんなことを思いながらアメリカのBONSAIを見て見ますと、その何とも言えない違和感がこの「重力感」にあるなぁ、、と思ったりします。
(例えばこちら

盆栽 野梅
こちらは私の野梅。下の枝をもう少し太らせれば見られるようになる、、と思いながら10年経ってしまいました。(そういうものなんですけれど)

建築だけでなく、船や飛行機や自動車などもこの「重力感」の違いが見られるものたちですね。
dmc.
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