デザイナーに頼むと字が小さくなるのが嫌? ― 2024年03月27日 10:02
デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^
名刺の文字
先日、ある名刺交換の際に「デザイナーに頼むと字が小さくなる」という会話がありました。あまりに懐かしくてしばしフラッシュバック・・・
「デザイナーに頼むと字が小さくなるのが嫌」
私(河野)がこの仕事を始めた頃、このセリフを何度か言われた事があります。海外のデザイナーに頼んだら使いにくくなったので、それを修正したいというのも一度ありました。
デザイナーがなぜその文字を小さくしたのか、そこに「かっこよくしたいから」以外の意図が感じられて、なおかつ納得出来る理由がある。もしくは、それ以外どうでもいいほどかっこいい。そのような心を動かすものがなければ、やはりそれは至らぬデザインだと言えました。
スタイルはゆらぐ
上の不幸なすれ違いは、当時の工業製品のスタイリングのトレンドと、求められる使い勝手ギャップがある事でした。スタイリングのトレンドというのは、いわゆるファッション的な流行です。シンプルで使いやすいものより特徴的な造形を持つことを優先するスタイリングが流行っていました。
ファッションも工業製品も、そののち「使いやすくて美しいというもの」に収斂して行ったのがここ20年ほどの傾向だったと思います。
それでも、特にファッションがそれを破壊しようとし続けています。今でも用と美の間で揺れ続けています。
工業製品の場合、しばらくは「美が用を優先する」ということは成立しないと思います。ロケットにしても空飛ぶ車にしても、はじめから美しさが折り込まれています。SF的な最先端のものでさえそれが当然の時代だからですね。
ですので、現在「美しければ使いにくくても良い」と考えるデザイナーはめったにいないと思います。(本音は分かりませんけれど)
スタイルの良さと使いやすさは両立する
前回ご紹介した炊飯器のUIは、ナビゲーションだけでなく、パネルのサイズ、物理ボタン、文字の配置とサイズなど、徹底的に使いやすくデザインしたものです。そのデザインがプロの目*でもユーザーの目**でも評価を得たのは、大変嬉しく、また頼もしく感じる事でした。これからも自信を持って使いやすくて美しいUIをデザインして行こうと思います。
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