家電大賞2023-2024 総合グランプリ受賞!2024年03月25日 09:06

UIデザインを担当したタイガー炊飯器「土鍋ご泡火炊き JRX-T100」が、家電大賞 2023-2024 総合グランプリを受賞しました!
読者投票でノミネート全家電の中から最多得票を獲得しての快挙、あらためましてお祝い申し上げます!
UIも一定の貢献が出来たようでこころから嬉しいです。(特集記事参照
家電大賞総合グランプリ タイガー炊飯器 JRX-T100

ユーザーさまからこのような評価を頂くと、UIもブランドの大切な資産だということに改めて思いがいたりました。これからも頑張って参ります。

デザイナーに頼むと字が小さくなるのが嫌?2024年03月27日 10:02

デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^

名刺の文字
先日、ある名刺交換の際に「デザイナーに頼むと字が小さくなる」という会話がありました。あまりに懐かしくてしばしフラッシュバック・・・

「デザイナーに頼むと字が小さくなるのが嫌」

私(河野)がこの仕事を始めた頃、このセリフを何度か言われた事があります。海外のデザイナーに頼んだら使いにくくなったので、それを修正したいというのも一度ありました。
デザイナーがなぜその文字を小さくしたのか、そこに「かっこよくしたいから」以外の意図が感じられて、なおかつ納得出来る理由がある。もしくは、それ以外どうでもいいほどかっこいい。そのような心を動かすものがなければ、やはりそれは至らぬデザインだと言えました。

スタイルはゆらぐ
上の不幸なすれ違いは、当時の工業製品のスタイリングのトレンドと、求められる使い勝手ギャップがある事でした。スタイリングのトレンドというのは、いわゆるファッション的な流行です。シンプルで使いやすいものより特徴的な造形を持つことを優先するスタイリングが流行っていました。
ファッションも工業製品も、そののち「使いやすくて美しいというもの」に収斂して行ったのがここ20年ほどの傾向だったと思います。
それでも、特にファッションがそれを破壊しようとし続けています。今でも用と美の間で揺れ続けています。

工業製品の場合、しばらくは「美が用を優先する」ということは成立しないと思います。ロケットにしても空飛ぶ車にしても、はじめから美しさが折り込まれています。SF的な最先端のものでさえそれが当然の時代だからですね。
ですので、現在「美しければ使いにくくても良い」と考えるデザイナーはめったにいないと思います。(本音は分かりませんけれど)

スタイルの良さと使いやすさは両立する
前回ご紹介した炊飯器のUIは、ナビゲーションだけでなく、パネルのサイズ、物理ボタン、文字の配置とサイズなど、徹底的に使いやすくデザインしたものです。そのデザインがプロの目*でもユーザーの目**でも評価を得たのは、大変嬉しく、また頼もしく感じる事でした。これからも自信を持って使いやすくて美しいUIをデザインして行こうと思います。
タイガー炊飯器JRX-T 特集記事より

*プロの審査員によるグッドデザイン賞を受賞しています。
**ユーザー投票による家電大賞で総合グランプリになりました。

「シンプル」へのアプローチ2024年03月29日 10:36

デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^

シンプルという王道
シンプルさを保ちながらいまの感覚を取り入れて、沢山の支持を集める無印良品やユニクロのようなブランド、日本的な価値観が世界で支持されるのは興味深い事ですし、学べる事も多いです。
日用品では、無印良品のようなシンプルさを基盤にしながらも、雰囲気や価格帯を変えたブランド、例えばKEYUKAや3coinsなども人気を博しています。これらのブランドは個性を保ちつつも、「シンプルでおしゃれ」という大きな方向性を共有しています。
デザインの現場においても、この「シンプルでおしゃれなデザイン」を求められる事はとても多いです。

シンプルの守りと攻め
シンプルなデザインには二つの方向性があります。
一つ目は「レス(less)」というアプローチです。主張を控えめにし、特徴を抑えることで、嫌われない(=万人に受け入れられる)デザインを目指すことです。
このアプローチは守備的ですが、無駄を省き研ぎ澄ますことで、バランスのよいデザインになっていきます。
もう一つのアプローチは、「伝えたいことを単純にする」です。製品が使用される場所や対象者、彼らのライフスタイルを詳細に描き、ブランドのメッセージや価値、提供したい機能を明確にして、単純化していくのです。これは積極的にデザインの特徴を創造するアプローチで、シンプルながらも深みのある「伝わるデザイン」が形作られていきます。

ふたつのアプローチをうまく使い分け、両者を行き来する事か大切です。メッセージや伝えたいことをより具体的に形と言語にし、一人でも多くの方に共感して頂ける表現を目指して参りましょう。
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.