身体感覚優位なUI 筋肉の記憶2024年06月28日 10:01

UIデザインで飛躍を企む皆さまこんにちは^^

前回は「視覚優位なUI」の話題を掘り下げましたので、今回は「身体感覚優位なUI」について考えて行きましょう。

身体感覚優位なUIとは、自転車のハンドルやブレーキ、自動車のアクセル、銃器の引き金など、身体の動きを入力して装置が機能するものです。装置が機能したかどうかの確認も視覚以外の手応えや体感(反動や振動、熱など)から得ます。
これは、包丁やドライバーなど、シンプルな道具と同じ関係性を持っています。

視覚優位なUIが「人と人(動物その他も含む)とのコミュニケーション」の延長線であることに対して、身体感覚優位なUIは「道具」の延長線であると言えます。

ここで、「身体感覚優位」とは何でしょうか。
例えば、自転車は1度乗れるようになるとほとんどの人が一生忘れません。これを「身体が覚える」と言ったりしますが、意識せずに複雑な運動ができる状態になる事を指しています。スポーツの世界では「筋肉記憶」という言葉もあるそうです。
実際に筋肉が記憶するはずはないとしても、体感的に「身体、筋肉が覚えている」という感覚は分かります。
この感覚は「身体感覚優位な状態」がないと生じません。つまり、「身体感覚優位」とは、「意識せず自動的におきる反応を獲得している」ことです。ちょっと言葉が難しいですね。
ざっくり言い直しますと、身体で覚えるのが「身体感覚優位なUI」です。

さて、既にお気付きかもしれませんが、「身体感覚優位なUI」は習得する期間が必要です。初見から複雑な誘導が可能な「視覚優位なUI」とはここでも対比しています。

あらためて身体感覚優位なUIは、、
・即応性が高い
・意味と操作は1対1(一つの行為にひとつの意味)
・習熟度が上がると身体感覚が伴う
が特徴です。

その装置が「身体の延長」として振る舞うものでしたら、「身体感覚優位なUI」が絶対的に必要です。そして、それはきちんとデザインされないと、身体に危険なフィードバックが生じてしまいます。
これまでリアルの装置ではここをあらためて意識する必要はなかったのですが、VRの世界ではきちんと意識しないといけないでしょう。正しく理解して素敵なUIを実装なさって下さい。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://dmc.asablo.jp/blog/2024/06/28/9695181/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。

dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.