言葉ではない何かで通じるために2011年08月23日 23:59

店内
今日、出張先で入ったフレンチレストランのご主人と思いがけず話しが弾み楽しい時間を過ごしました。
その中で「お客様と通じあう」ということの面白さと難しさについて、料理とデザインに相通じるものが沢山有りました。

伺えばご主人は会話が苦手だそうです。だから一人でお店に入ってきたお客様がいると緊張してしまうのだとか。確かに、最初の会話はぎこちなかったのですが、料理から伝わるものがイメージを膨らませて、そのたどたどしい会話もまた味わいになっています。
料理からうける印象と人柄との関連は本当は私の勝手な想像に過ぎないのでしょうけれど、お店や料理とあわせて受取った印象が言葉と言葉の間を埋めてくれます。ここに妙があるのでしょうね。

この補完がいかに大切かはデザインの中で重々思い知らされている所です。そしてそれを意識的に作ろうとしても必ずバレてしまうということも。

本当に上手い人は心を込めなくてもいいものが作れるそうですし、スポーツは力みを嫌いますから、表層の精神論的な「心を込める」というのは意味を成さないのかも知れません。
しかし、全てに気を配りより高みを目指す態度を外部から見た時に感じるものがあるとしたら、それはやっぱり心なのかもしれません。
dmc.
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