高解像度こそフラットなデザイン2013年06月17日 11:20

UIデザインと言いながら、ここではアップルの話題をほとんど出しませんけれど、今日はiOS7のフラットデザインについてちょっとだけ。

7以前のiOSのアイコンは、現実にあるモチーフを緻密に描く方法(スキューモーフというらしいです)、つまりリアルに描くアイコンでした。それが7からフラットデザインになります。
どちらが洗練されているかと言えばフラットの方です。これは昔から判っていたと思います。アップルはスマートフォンがコモディティになったこのタイミングで、OS画面も洗練に舵を切ったのですね。

その歴史的な経緯などは飛ばしますが、それ(スキューモーフ)を採用していた理由として「高解像度をアピールするため」という記事を見かけましたがそれは違うと思います。
かつてのモノクロでドットを感じるモニターの時代、コンピューターは余りにも機械的な存在でしたし操作画面も素っ気ないものでした。それをUIのパーツを実世界のモチーフをリアルに描くことによって判りやすくし、そして気を引いていたのです。それこそが「アイコン」でしたよね。

私事で恐縮ですが、アイコンには数万の単位で多数に関わらせて頂きましたけれど、解像度が高い事をアピールするのにリアル(スキューモーフ)なアイコンを採用と言う話は聞いた事がありません。むしろ逆に、リアルさは低解像度でもある程度高められますが、フラットなアイコンは高解像度になる事で初めて綺麗に見えてきます。
つまり、iOS7は機器類の解像度が充分高まったのでやっと採用する事が出来た、と言った方が自然だと思います。(もちろん、解像度以外の要因の方がはるかに大きいでしょう)

まあ、多数描いた事のあるみなさんならご存知だと思いますけれど(笑)

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