人の解像度へ 可変解像度のUI2011年11月24日 20:39

アナログ終了を機に、テレビの字幕が画面に対して小さくなりましたね。30インチ程度のデジタルテレビで充分視認出来るサイズになったと思います。
最近のテレビは大画面化していましたが、まだまだ現役だったアナログ14インチで視認出来る文字サイズを確保する必用がなくなったことが背景にある事でしょう。

またiPadを意識したホームページデザインも良く見られるようになりました。例えば雑誌のようにきっちりしたレイアウトでスクロールやページめくりで全コンテンツにアクセス出来る様なものが代表的です。
ウェブは絶えず技術の動向を反映しながら変化していますが、「比較的大きな画面で指先の操作」が今後のひとつのトレンドになって行くでしょう。

これらは、ユーザーは特に意識する事なく自然な成り行きとして受容れる事と思いますが、「画面に対して一つ一つの要素は小さくなる」ことを少しづつ許容し続けているのですよね。
例えば字幕以外にも、iPadの様なタッチUIの要素間の間隔(距離)は10年前の1/2程度で成立しています。これは密度で言えば1/4です。極端な言い方をしますと、10年前は4画面必用だったインターフェイスが今は1画面で済む、ということになります。凄い事ですね。

技術的な背景として、画面とセンサーの解像度が高くなったことが欠かせません。その意味で人が技術に適応したと言えますが、実際はその逆で、技術が人に追いつきつつある、と言った方が良いのかもしれないと思っています。
それは、実際に私たちが現実に接している世界の解像度は時にとても高く、時にとても低く、激しく変化しているのですから。

超高解像度テレビが「過剰」との指摘もありますが、私はむしろやっと出来てきた、と思っています。UIのデバイスは、テレビに限らずあらゆる表示、出力装置、センサーを始めとした入力装置は、人の持つ繊細な超高解像度まで高められるとともに、曖昧で素早い低解像度の処理を同時に行うようになって行くでしょう。
その時のUIがどうあるべきか、、。私たちの腕の見せ所ですね。
dmc.
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