メメント・モリ「安心して自宅で死ぬための5つの準備」2013年08月26日 14:43

国立の医師、新田國男さんの「安心して自宅で死ぬための5つの準備」を読みました。

「安心して自宅で死ぬための5つの準備」
国立市で在宅医として1000人以上看取ってこられた新田医師と三上看護師のインタビューです。聞き手の安藤明さんには在宅医療をされている寝たきりの母親がいらっしゃいます。

「安心して自宅で死ぬための5つの準備」
秋山先生の調査から示されたこの「自立度の変化パターン」図、とても印象に残っています。

実はこちらの本、私にとっては相当のインパクトがありました。それはショックではなく、これまで何となく思っていた事をすっきりとさせ、ひとつの方向性を示してくれたように感じております。(それは近い将来、デザインのコンセプトとしてまとめて、皆さまにご披露したいと考えています。)

さて、、この本を一言でお伝えするのはとても難しい事なのですが、死を扱っていながらそこに暗さは感じません。むしろ希望があります。
流行りの「終活」でももちろんなく、「最後まで自分を生きる」ための手引きで、手続についても簡単にまとめたものが付記してあります。
大切なのは「いかに死ぬか」ではなく、「いかに生きるか」です。当たり前と言えば当たり前ですが、終活やエンディングノートに感じていた「さっさと死んで行く」雰囲気は微塵もありません。
かといって最後の最後まで治療を続けて玉砕して行くような死に方はしたくない、治療より生活を大切にする価値観に寄り添ったあり方を、精神論ではなく、具体的な対処として語っています。(もちろん、専門書ではないので、実際にそれを望む場合は専門家や窓口に個別に相談する必要があります。)

私は「病ではない、老いである」ということを受け入れることは大変勇気ある事と思うのですが、その覚悟こそ人生の最終盤を飾って行くのかな、、そんなことを思いました。

後半、「メメント・モリ(死を想え)」というラテン語が紹介されますが、これは死を忘れず生きよ、ということですね。
いつか死ぬ、だからよりよく生きる。そのために出来る事をする。これなのですよね。

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