デザインは再び2016年02月11日 09:32

「デザインシンキング」という言葉を耳にするようになってどのくらい経つでしょうか。
この概念を広く提唱し成功事例を積み重ねているデザインファームに「IDEO」があります。
そのCEOでありデザインシンキングのパイオニアのTim Brownのスピーチを拝聴しましょう。


小さな物だけにフォーカスするのではなく、大きな問題にアプローチして課題を明確にし、オープンなチームでプロトタイプを作り、素早く検証していく。
プロセスはデザインそのものです。しかし「問いかけ」を文化的な背景まで掘り下げることで、解決策の選択肢を拡げ、複雑な問題をトータルに解決する手段を導いていますね。
ここで重要なのは最初の「問いかけ」です。問いが正しければ解もまた有益である、ということですね。
そして手段としての「プロトタイピング」が、いかに効率的で効果的か、も示されています。この点、重ねて強調しておきたいと思います。「プロトタイピング」なきデザインはデザインではない!のです(笑)

ところで私は今「 ダメマシンクリニック 」に注力しています。上でご紹介した「デザインシンキング」とは真逆の、非常に小さな、ささいなデザイン上の誤り(しかし利用者にとっては非常にやっかいな誤謬)を補完する活動です。

水の入った袋に例えて見ますと、今あちこちに穴が開き、ここかしこに水が流れ出している状況が今の状況です。この穴を塞ごうとしてマシンはデザインされますが、別の所から水が溢れ出し、その一つ一つを現場で凌いでいるのが「テプラ」をはじめとする表示たちですね。

一方で「デザインシンキング」における正しい問いかけとは、この「水の袋を見つけ出す」ことです。穴の塞ぎ方のデザインではなく、水の漏れない袋をデザインすると言えるでしょうか。
私自身はこの「水の漏れない袋のデザイン」を志向してきましたが、それを提起する間にも水が漏れ続けている、、であれば、これを少しでも効率良く行って頂くにはどうしたらよいか、、そう考えて「ダメマシンクリニック」を開設しました。現場にいる方の一助になればこれ以上の喜びはありません。

今の世の中にあるマシンたちが、単体で、もしくはもっと小さな単位でデザインされ、結果的に「ダメ出し」されている状況はいずれ改善されて欲しいですね。機会があれば私も是非その仕事、「水の漏れない袋のデザイン」に携わりたいと思います。
dmc.
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