ダメマシンクリニック25【駅地下の駐車場発券機:表示失調】 ― 2016年04月22日 14:02
みなさまこんにちは!
約半年間、身近なダメマシンたちを診てまいりましたが、わずかな迷いや失敗は許容した方が過ごしやすいですよ、と申し上げたい場面が予想以上に多いと感じました。
この「余裕」や「遊び」といった緩やかな心構えが失われているのか、それとも別の所で形を変えているのか、、気になる所です。
さて、ダメマシンクリニック、続いての症例はこちらです。
横浜駅の地下駐車場入り口に設置された駐車券の発券機です。
ダメマシン25【駅地下の駐車場発券機】
駐車券の発行と同時にゲートが開くタイプの発券機です。
発券ボタンを押すと駐車券が発券されます。
詳しく見て見ましょう。
1:表示(駐車券と発券ボタン)
通常よく見かける方式の発券機で、操作もそれ程複雑ではなさそうですが、大きく追加の表示(1)がされています。
発券ボタンには表示がありません。地下駐車場のため騒音が大きく、音声ガイダンスも聞き取りにくい状況でした。そのため発券ボタンの位置を大きく知らせる「↓」の表示をされたと推察します。
これは以前「ダメマシンクリニック16【ホームセンターの駐車場発券機:表示失調およびクレームアレルギーの注意】」でご紹介したマシンと同じタイプで、同じダメ出しがされていました。こちらを確認しますと、もともとは「発券」の文字が発光していたものが光らなくなったようです。
【診断】
ボタンの「発券」の表示が失われたことから「表示失調」と診断します。
なお、上の前例ではクレームアレルギーの注意を併記しましたが、今回はそこまでではないとみておきます。
【処方】
では、処方です。
表示をより明確な「文字」に変更して操作ボタンを明示します。
処方01:応急処置
応急処置(追加表示)は以下の様にするのがよいでしょう。
・追加の表示(1)を消す。
・もともとあるイラストを隠すように「発券ボタン」を表示。
発券ボタンのすぐ上にイラストがありますが、かすれてしまいましたので思い切って「上書き」してしまいましょう。
「ボタン」の存在自体がそれを押す動作を誘引します。この心理作用は弱いものですが、迷った時の優先順位は高いです。今回のようにボタンが一つしかなくそれを押せば良いという状況では、ボタンの存在をはっきりさせることが良いのです。
処方02:治療
前例もあわせますと、発券ボタンの視認性が問題になりやすいと捉え、以下の様な処置をされるとよいでしょう。
・「発券ボタン」を大きくする。
・ボタン上に「発券」の明確な表示の追加。
・ボタン上に「発券」の明確な表示の追加。
ここでひとつ考慮されるのは、発券ボタンを押さずに自動で発券される場合です。その場合は「発券」の表示はない方が良いので、発光表示が採用されているのかもしれません。そこまで含めますと、ボタン上の文字は光らなくても視認可能であり、かつ発光させて目立たせる、という形が良いでしょう。
ダメを憎んでマシンを憎まず。
ダメマシンクリニックからは以上です!
No.: 25
対象:駅地下の駐車場発券機
設置場所:横浜駅東口地下の駐車場
報告者:ディーエムシー
報告日:2016.4.22
症例:表示失調
ダメ度:××(表示対応可だが治療が望ましい)
応急処置:表示修正
治療方針:整形外科「表示修正」
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