「終わり」のデザイン:持続可能性への新たな視点2024年01月24日 11:58

デザインで飛躍を企むみなさまこんにちは^^

「モノの終わり」を思う
前回、「モノの終わり」に意識を向けることは、私たち自身の持続可能な未来への歩みにとって不可欠だと再認識しました。それは大量のモノを処分する経験が「ダムの水を全部抜く」という比喩を想起させた事が切っ掛けでした。

モノとの時間を暖かい気持ちで終えたい
「ダムの水を全部抜く」という感覚は、沢山のモノの処分の過程で「モノが私たちの生活にどのように影響を与え、私たちの記憶や感情にどのように結びついているか」を意識させられ続けた事によってうまれました。
なんとなく使い続けてしまったモノ、いい品なのに仕舞い込んで使わなかったモノ、昔は好きだっけど好みやライフスタイルが変わってしまったモノ、やめてしまった趣味のモノ、使わないけれどもったいないからと取っておいたモノ、人の思いが強く残ってしまったモノ、、。すっぱりとゴミ袋に入れられるものもありますし、出来ればどなたかに引き継いで頂きたいと思うものがありました。いずれにしても、この最後の最後に暖かい気持ちでいられるかどうか、とても大事な事だと思いました。そして、そこはデザインの仕事だろうと。

ここであらためて、持続可能性について確認しましょう。

モノの終わりと持続可能性
持続可能性とは、基本の3R(リテュース・リユース・リサイクル)に集約されています。単にリソースを節約することだけではない、物事の循環や再生を重視する考え方です。製品やサービスの「終わり方」にこの循環性を取り入れることは、デザインに新たな次元を加えることを意味します。

環境への影響を最小限に
製品が終わる際に環境への影響を最小限にするため、デザイナーは再利用可能な材料の選択や、分解しやすい設計を心がける必要があります。これは、廃棄時の負荷を減らすだけでなく、リソースの有効活用にも繋がります。

循環性と再生可能性の重視
製品が廃棄された後も、新たな形で生まれ変わることを想定するデザインが求められています。バイオディグレード可能材の使用や、アップサイクリングはこの考え方の良い例です。

社会的影響と文化的考慮
製品の終わり方が社会やコミュニティに与える影響も重要です。地域社会に負担をかけない廃棄方法や、製品の寿命の終わりに関する文化的な見解や、ユーザーの感情的な結びつきも考慮に入れる必要があります。

まとめ
「モノとの時間を暖かい気持ちで終えられる」視点を持って持続可能性について考慮する事は、単に美しいものを作り出すことを超え、製品やサービスの生命サイクル全体を包括的に人と社会に良い影響を与えるでしょう。
デザインの世界は常に進化していますから、私は「終わり方」をどのように扱うかまだまだ考え続けたいと思っています。

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