ー勇気を出して、日常を変えるー 映画「HAPPY」 ― 2012年07月13日 23:15
映画「HAPPY」を観てきました。
しあわせを探すあなたへ、と書いてあります。
映画冒頭、インドコルカタの車曳きの経済的には豊かとは思えない日常が映され、そこに「彼は平均的なアメリカ人と同程度の幸福を感じています」とナレーションが。
幸せが金ではない、という常套句は、一面では正しいと思います。しかし、幸せはどうしたら得られるのか、という問いには答えてはいません。
この映画はその問いに、心理学、統計、脳科学など、科学的と思える専門家の研究成果を判りやすくまとめて回答したドキュメンタリーです。
幸福は50%は遺伝、10%がステイタス(職業や収入や名誉)、40%が意識的な行動に規定されるのだそうです。作業に没頭する「フロー」が日常にある事の重要さ、ステイタスにこだわる人は総じて幸福度の低さ、誰かの役に立つ事の意味、感謝、瞑想の効能、幸せな人は例外なく家族や仲間に囲まれている事実、、「幸せな人」の紹介とともに幸福の秘訣が紐解かれていきます。
そして「先進国で最も不幸な国日本」の過労死、「世界一長寿な沖縄」が紹介されています。このコントラストは、日本が突っ走ってきた「勤勉革命」への痛烈な批判となっています。
最後のナレーションには「幸せはスキルのようなものだから、変えられる40%にアプローチして(趣意)」とのメッセージが。
このあたりの捉え方がいかにも米国的だなぁと思いましたが、確かに成功と幸福とは分けて考えた方が判りやすいので、そのような言い方は有効なのでしょうね。
マイケル・プリチャード(米コメディアン・教育者)が中学校でスピーチするシーン「本物の勇気」のエピソードで、思わずほろりとしてしまいました。
中学生たちを笑いから引き込み、励まし、やがていじめられている子が自ら「いじめられて嫌だ」とみんなの前で発表します。これを彼は「これこそが本物の勇気だ」と称賛し、皆も喝采するシーンです。
見終わって思い返しますと、この映画の本当のメッセージはこのシーンにあるように思えてきました。
「勇気を出して、日常を変える」
うん、納得です。
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