「11歳は冒険の始まり」2012年07月02日 07:12

弊社は昨日から新しい期が始まりました。
無事に今期を迎える事が出来ましたのも皆さまのご指導ご愛顧のおかげです。心より感謝申し上げます。

弊社のスタートは2001年、今年は満11歳ということになります。人の11歳は冒険の始まりの年だそうです。
スタートから冒険の様ではありましたが、これからが本当の冒険なのでしょう。全力でサバイバルして行こうと思います!

みなさま、これからもご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます!

公衆電話20122012年07月03日 07:20

公衆電話 名古屋駅
先週末の名古屋駅です。
これまで見過ごしていましたが、近所ではほとんど見かけなくなった今、5台が並ぶのを改めて珍しく感じました。

設置台数を検索しますと、、昨年3月末で25万台強、2000年の1/3だそうです。感覚的にはもっと減っていそうでしたがそうでもない印象です。
そう言えば近所では駅のコーナーが消えても公園の電話ボックスは残っていてますから、都市部の目立つ大量設置ヶ所がなくなっただけなのかもしれません。
採算は赤字だそうですが、緊急時の手段として法的にも保護されているようです。

ここに設置されているのはニーズがあるからでしょうか、緊急のためなのでしょうか、どちらにしても公衆電話があるのは大変有難いです。
今更ですが、採算の取れるアイデアがあったらいいですねぇ。

都市の残像2012年07月04日 23:59

「名古屋テレビ塔」、先週末は何年かぶりに間近に見上げました。
開業は東京タワーより早く昭和29年だそうです。(東京タワーは同33年)

名古屋テレビ塔
新たに銀色に塗られて足下はオープンカフェという、今どきな観光地になっていましたが、詳しい方のお話では電波塔としての必然性は相対的に低下し、来場者も多くはないとの事でした。

名古屋の中心地、栄の真真中という立地は名古屋人の合理性ならではだそうで、その合理性からすれば壊してしまえと言う声もなくはないそうです。しかしそれもお金のかかる事なので何か人気の出る施策はないだろうか、、とのこと。うーむ、、横浜でも同様の話を耳にします。

サン・マルコの鐘楼
こちらは「サン・マルコの鐘楼」です。
ヴェネツィアのサンマルコ広場の美しい鐘楼として有名ですね。一度崩壊しましたが、その日のうちに再建が決定され、内部を強化した上で10年かけて建設されました。今年は再建から丁度100年の節目だそうです。

日本は世界に誇る様な建物でも案外簡単に壊してしまいます。「定期的に立替える木造建築の文化だから」「新しい物好きだから」という説明は東塔のように保存改修されてきた建物を前にすると浅はかに思えます。
新しい目立つ建物ができて活気が出るのは確かですが、それが数十年で陳腐化してしまうとすれば(その建物自体の設計もあると思いますが)、街(とそこに住む人々)の美意識とともに生活基盤のダイナミズムの問題なのでしょう。

名古屋テレビ塔に登った事はなくても、また名古屋に行った事がなくても、この写真を見て名古屋を連想する方は多いでしょう。これは立派な資産ですね。「街の景観」の価値は旅をするとよく感じます。しかしそれを造形している仕組みを理解するためには時間を掛けて知らないとならないでしょうね。

・・という訳で、またまた旅情が募るのでした。

ほたるぶくろ2012年07月05日 01:31

蛍袋 笹
梅雨時の花は青や紫の清々しい色合いが多いですね。湿気が似あうのがまた目立つ理由でしょう。

この花は「ほたるぶくろ」と言いまして、土手などに自生する草花です。隣に生えていた笹と一緒に活けて見ました。
子供が螢を入れて提灯がわりに遊んだというのがその名の由来ですから、実際にそういう遊びをされた方もいらっしゃるかも知れませんね。
涼しげな花とほのかな光、、いつかやってみたいささやかだけど贅沢な遊びです。

手を洗わないと開かないドア2012年07月06日 23:59

先日撮影で伺った結婚式場のバックヤードのトイレが「手を洗わないと開かないドア」でした。

 1:流水洗浄
 2:石鹸洗浄
 3:すすぎ洗浄
 4:エアタオル乾燥
 5:消毒

ステップ5の消毒液を出すとすぐにドアが開きます。これにはちょっとびっくりしました。手を洗ったら一拍もおく事なく持ち場へ復帰、なんですね。

こういう仕組みをなんて言うのでしょうか、確かにこの設備なら人的な不備はかなり無くなるでしょう。

しかし残念ながら「自然とそのようになる」というデザインも仕掛けもなく、手洗いの前でしばし大きく書かれた説明書きに見入り、一つ一つ手順を追いかけないと出来ないものでした。
うーん、おしい!

「建築が行為をアフォードする」のは、伝統的にも苦手ではないはずです。機能性が求められるからこそ、デザインして行きたいと思いました。

梅雨の夕焼け2012年07月09日 23:20

梅雨の夕焼け晴れ間 夕焼け
静かに降る雨が止んだあと、空に浮かんだ夕焼けです。

梅雨らしい雨、と言うのがあるのかどうか判りませんけれど、密やかに止んだ雨から、控目な夕焼けに染まっていくのが、梅雨らしいなと思いました。
綺麗な色でした。

「フェア」な人々2012年07月10日 23:13

日本の戦争責任を問うた東京裁判で、唯一無罪判定を下した判事がいました。インド人のパールと言う方です。
戦争に勝った側の都合で裁くことは一方的であり、戦勝国に罪がないのであれば敗戦国にもない、、といった論だったかと思います。(間違いがあれば都度訂正いたします)

これはかの国の「フェア」という国民性なのだそうです。少し前、インドに公式な立場で往来されている方から伺いました。驚きとともに納得の行く場面が幾つか思い浮かびました。
例えばより重要なことがあると、その前からの約束でも平気で反古にします。この場合の重要さとはより多くの価値があるとか公共性があるとか、普遍的な価値観においての重要さです。
長いものにはまかれろ式の、狭い世界での誠実さからすると不誠実に見えますが、これは相手によって態度を変えないという意味で「フェア」なんですね。

歴史を詳しく存じ上げませんが、(私たちが理解しやすい)主従が同じ地縁関係の中で育まれた価値観とはまた別の、どの様な仕組みが働いたのでしょう。気になっています。

「ヨーロッパのかたち」2012年07月11日 11:37

向田直幹著「ヨーロッパのかたち」という写真集を見つけました。

ヨーロッパのかたち
1984年刊行とありますから、まだEUになる前のちょっと昔、日本の多くが憧憬をもって欧州を見つめていた頃の「ヨーロッパの日常」の造形物を集めたものです。

ヨーロッパのかたち
街灯とその落とす影が、いかにもらしいです。

ヨーロッパのかたち
煙突にもお国柄が。

ヨーロッパのかたち
標識も興味を惹きます。

「街灯・道路標識・電話ボックス・ポスト・くずかご・ベンチ・煙突・紋章・レリーフ」、、とかなりマニアック!残念なことに「電線」はありませんでしたが(笑)

しかし時代掛かっていても、驚くほど陳腐化していないのが改めて考えさせられますね。これは掘り出し物でした。

古書店
東銀座駅近くの古書店で、なんとなく予感がして向けた視線の先にありました。こういう事も買物の醍醐味ですね。

文化庁「違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A」2012年07月12日 23:11

先日可決した改正著作権法について、最も注目された「刑事罰化」についてのQ&Aが、文化庁のホームページに掲載されました。
ネットでも話題になっていましたのでご存知の方も多い事と思います。
違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
一般用(PDF)

違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A
こちらは子供用(PDF)です。

「海賊版の音楽や映画を見たり聞いたりするだけで、刑罰の対象になるのですか?」
「友達から送られたメールについている海賊版の音楽や映画を自分のパソコンにコピー  すると刑罰の対象となるのですか?」
「個人で楽しむためにホームページ上にある写真や漫画を自分のパソコンにコピーする  と刑罰の対象になるのですか?」
これらはいずれも違法行為ではありません。知らない間に違法行為をしてしまうのでは?という素朴な疑問にストレートに答えていて判りやすいです。売り物の音楽や映画の海賊版をネットからダウンロードする事が違法、とラインは明確です。

一般用の最後に「 違法ダウンロードを刑事罰化することにより、インターネットを利用する行為が不当に制限されてしまうのではないでしょうか。」という質問も。これはとても気になる所です。
その回答は「(略)違法ダウンロードの刑事罰化に係る規定の運用に当たっては、政府及び関係者は、インターネットの利用行為が不当に制限されることのないよう配慮しなければならないこととされています。(改正法の附則第9条や参議院の附帯決議)これを受け、警察は捜査権の濫用につながらないよう配慮するとともに、関係者である権利者団体は、仮に告訴を行うのであれば、事前に然るべき警告を行うなどの配慮が求められると考えられます。」
ふむ。最後の肝心な所がちょっと、、「配慮」って具体的にはどう言う事なのでしょうね。
文化庁のQ&Aということも「実際の運用」と距離があるかも知れません。引き続き注目して行きたいと思います。

ー勇気を出して、日常を変えるー 映画「HAPPY」2012年07月13日 23:15

映画「HAPPY」を観てきました。

「HAPPY」
しあわせを探すあなたへ、と書いてあります。

映画冒頭、インドコルカタの車曳きの経済的には豊かとは思えない日常が映され、そこに「彼は平均的なアメリカ人と同程度の幸福を感じています」とナレーションが。

幸せが金ではない、という常套句は、一面では正しいと思います。しかし、幸せはどうしたら得られるのか、という問いには答えてはいません。
この映画はその問いに、心理学、統計、脳科学など、科学的と思える専門家の研究成果を判りやすくまとめて回答したドキュメンタリーです。

幸福は50%は遺伝、10%がステイタス(職業や収入や名誉)、40%が意識的な行動に規定されるのだそうです。作業に没頭する「フロー」が日常にある事の重要さ、ステイタスにこだわる人は総じて幸福度の低さ、誰かの役に立つ事の意味、感謝、瞑想の効能、幸せな人は例外なく家族や仲間に囲まれている事実、、「幸せな人」の紹介とともに幸福の秘訣が紐解かれていきます。

そして「先進国で最も不幸な国日本」の過労死、「世界一長寿な沖縄」が紹介されています。このコントラストは、日本が突っ走ってきた「勤勉革命」への痛烈な批判となっています。

最後のナレーションには「幸せはスキルのようなものだから、変えられる40%にアプローチして(趣意)」とのメッセージが。
このあたりの捉え方がいかにも米国的だなぁと思いましたが、確かに成功と幸福とは分けて考えた方が判りやすいので、そのような言い方は有効なのでしょうね。

「HAPPY」
マイケル・プリチャード(米コメディアン・教育者)が中学校でスピーチするシーン「本物の勇気」のエピソードで、思わずほろりとしてしまいました。
中学生たちを笑いから引き込み、励まし、やがていじめられている子が自ら「いじめられて嫌だ」とみんなの前で発表します。これを彼は「これこそが本物の勇気だ」と称賛し、皆も喝采するシーンです。
見終わって思い返しますと、この映画の本当のメッセージはこのシーンにあるように思えてきました。

「勇気を出して、日常を変える」
うん、納得です。
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.