都市の残像2012年07月04日 23:59

「名古屋テレビ塔」、先週末は何年かぶりに間近に見上げました。
開業は東京タワーより早く昭和29年だそうです。(東京タワーは同33年)

名古屋テレビ塔
新たに銀色に塗られて足下はオープンカフェという、今どきな観光地になっていましたが、詳しい方のお話では電波塔としての必然性は相対的に低下し、来場者も多くはないとの事でした。

名古屋の中心地、栄の真真中という立地は名古屋人の合理性ならではだそうで、その合理性からすれば壊してしまえと言う声もなくはないそうです。しかしそれもお金のかかる事なので何か人気の出る施策はないだろうか、、とのこと。うーむ、、横浜でも同様の話を耳にします。

サン・マルコの鐘楼
こちらは「サン・マルコの鐘楼」です。
ヴェネツィアのサンマルコ広場の美しい鐘楼として有名ですね。一度崩壊しましたが、その日のうちに再建が決定され、内部を強化した上で10年かけて建設されました。今年は再建から丁度100年の節目だそうです。

日本は世界に誇る様な建物でも案外簡単に壊してしまいます。「定期的に立替える木造建築の文化だから」「新しい物好きだから」という説明は東塔のように保存改修されてきた建物を前にすると浅はかに思えます。
新しい目立つ建物ができて活気が出るのは確かですが、それが数十年で陳腐化してしまうとすれば(その建物自体の設計もあると思いますが)、街(とそこに住む人々)の美意識とともに生活基盤のダイナミズムの問題なのでしょう。

名古屋テレビ塔に登った事はなくても、また名古屋に行った事がなくても、この写真を見て名古屋を連想する方は多いでしょう。これは立派な資産ですね。「街の景観」の価値は旅をするとよく感じます。しかしそれを造形している仕組みを理解するためには時間を掛けて知らないとならないでしょうね。

・・という訳で、またまた旅情が募るのでした。

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