製品開発への誘い「Quirky」2012年08月28日 23:37

今日、ネットでHさんからご紹介頂いた「Quirky」、やられた!という(いい意味での)悔しさとともにご紹介します。
英語ですが、まずはこちらをご覧ください。

Quirky Manifesto from Quirky on Vimeo.


social product developmentsと謳っている通り、サイトを通じてアイデアを募り、オープンな投票と修正を加えて案を絞り込み、最後はデザインチームが作り込んだものでジャッジ、販売予約が満たされたものが量産化されます。(下図をご参照下さい)

Quirky
顧客参加型の製品開発は日本では既に10年以上前からありますが、多くの部分でこれまでとは異なる印象を受けます。
それは、専属のデザイン開発チームの存在感とそこへの参加感覚です。プロジェクトの貢献度が数値化され、それはそのまま報酬の分配に反映されます。これは画期的と言えるでしょう。アイデアを出した後は見えない審査員のジャッジを待つようなこれまでの感覚とは参加意識が大分違うのではないでしょうか?

もともと米国流の製品開発はプロセスが徹底してメソッド化されていますので、オープンにする時にどこをオープンにしてどこをプロに任せるか、そのプロセス化を徹底した事で、クォリティとスピードを落とさずに開かれた製品開発(彼らは発明と呼んでいますが)の「活き活きとした空気」を共有することに成功しているように見えます。

また、製品群をQuirkyブランドとしてデザインしている事、販売先を当初から意識している事も「本当に商品として成功させる」という姿勢を貫いているように見えます。実際にドイツのRed-dot賞を受賞したり、大手小売りとの契約をとりつけていますね。

これは製品化したものが、社会に出ていくところまでを意識した製品開発です。それはごく当たり前ではありますが、ソーシャルなものづくりというと、そのソーシャル内で閉じてしまいやすいものです。そこをよく判っていて、だからこそ「徹底してオープンに、徹底してプロフェッショナルに」という所が「やられた!」と思う所なのです。

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