素材の意味2011年02月08日 23:59

ギブソンが考案した、UIデザインでお馴染の「アフォーダンス」という概念は、例えば椅子は座ることをアフォードしている、というように「形が行為を促す」という理解で広く知られるようになりました。

アフォーダンスは形状を中心に語られますが、テクスチャ(肌理)とレイアウトの認識の中に位置づけられていますので、それらによって意味が変るものでもあります。
極端な例ですが、真っ赤に燃えた椅子は座ることをアフォードしません。

あるもののアフォーダンスを考える時、テクスチャは主に素材に由来するため固定的(要素還元主義的)な意味あいをまとっています。
金属は冷たい、重い、硬い、などの素材の特性は、そのまま金属質のテクスチャに感じる事です。

しかし最近、新素材や技術革新により、テクスチャーが新しいアフォーダンス、新しい意味を獲得しているのでは、、と思うようになりました。

20年ほど前はモニターに動く映像を2〜3歳児に見せた時、じっと見入ることはあっても手を出すことはありませんでした。言葉でのコミュニケーションが未発達だと、GUIは上手く行かない、というような説明をする人もいました。
しかし、今では手を出して「操作」を試みる子供たちは少なくありません。YouTubeでも幼児が使いこなす動画が沢山ありますね。
この変化の要因はさておき、アフォーダンスの観点で言えば、モニターが操作をアフォードする様になったと言えます。
モニターの形状も表示される映像もそれほど変らないのに、映像という「テクスチャ」の意味が変ったと言えるかも知れません。

また、アルミは金属でありながら「軽い」素材でしたが、最近はシーンによっては「重い」素材になってきました。自動車のボディなどがカーボン等の新素材に取って替られたからですね。

ガラス、木材、繊維等々、伝統的な素材にも、旧来のイメージや使用法にこだわらない可能性がひらかれて行くでしょう。

綺麗なもの2011年02月09日 23:59

アヒル スワロフスキー
私は、手に届く範囲の小さい「綺麗なもの」を年に一つくらい買います。
これは昨年末に買ったスワロフスキーのアヒルです。ルビーのような色が光によって赤くなったり紫色になったりします。

そして、これらの自分で買い集めたものを観ると、なぜか旅をしているような気持になります。でも旅先と買ったものとは直接関係がないようで、このアヒルからはまだ行った事のないトルコを想起していました。

私は旅が好きですが、体力を使いますしいい事ばかりではありません。それでも、時間が過ぎて行くと嫌な経験も含めて楽しい記憶として積み重なって行きます。
その凝縮が「小さな綺麗なもの」から想起されるのでしょうね。

「綺麗さ」の有用性が少しづつ判ってきていますが、人の中にある幸福や行動や強い気持を引き出すことができること、、これが最も大切な事かもしれません。

春香2011年02月10日 23:59

冬は梅や臘梅など清々しい香りの花が多いですね。今日は沢山の香る花を見かけました。

紅梅
紅梅。香るのは珍しく感じました。

フリージア
フリージア。爽やかな甘い香りです。

水仙、ストックなども見かけるようになって、清々しさの中に春らしい甘さが加わってきました。
明日からは雪の予報、今夜は寒いですが、この雪がすんだら暖かくなりそうです。
みなさま、どうぞお気をつけて。。

雪道2011年02月14日 23:59

雪のランドマークタワー
連休は雪でした。今夜もまた降り始めましたね。
雨から雪になる直前は、がたがたと震えるくらい寒い空気が流れてきますが、今日のそれはとても寒かったです。
降り始めてしまえば寒さも柔らかくなるような気がしますが、どうなのでしょうね。

都心が雪に弱いとよく言われますが、積もっても数日しか持たない雪のための用意を思うと仕方ないのでしょう。
もっとも私は、雪そのものより凍えるような寒さの方に弱いです。

積もった雪に静かな道、暖房の効いた家、、雪国の冬らしい厳しさと暖かさを思いだしました。

贈り物2011年02月15日 23:59

私にとってデザインは「贈り物」です。
他者の存在が個性を開き心を育む事は良く知られた事ですが、デザインも実際のいらっしゃるどなたかに喜ばれることがとても重要なのです。

さて、昨日はチョコを贈る日でした。(笑)
娘の学校は一律禁止ではなく「マナーを守り配慮ある方法なら可」ということで、子供たちなりに気を使ったタイミングで配ったり貰ったりしたようです。
このルールに至るまでには先生達の試行錯誤があったのでしょうね。

このルールの善し悪しはともかく、「配慮ある方法」という表現には「人に物を贈る事」の難しさが滲み出ていますね。
傍観者まで含めた配慮をもって贈る、そうまでしてでも贈りたい何かがあります。
この「何か」が、デザインにおいては、そのモノを作る主体的でかつ客観的な動機になる、、そう考えています。

過去記事:「デザインは贈り物」
http://dmc.asablo.jp/blog/2009/03/09/
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.