「ソーシャルシフト」2012年02月01日 23:59

「ソーシャルシフト」
プランテックラボの広瀬さんにご紹介いただき、斉藤徹著「ソーシャルシフト」、昨年末から1月いっぱいをかけてじっくりと拝読しました。途中、これを課題図書にした広瀬さん主催の勉強会にも参加させて頂きました。

企業活動において、時代の流れにあわせた表面的なソーシャルネットワークサービスへの対応ではなく、全社員を含めた意思決定と顧客との関わり方について捉え直し、実践するための方法を、豊富な実例とともにコンパクトに紹介されています。

ソーシャルネットワークサービスといいますと、どうも「メディア」としての側面が多々語られる傾向があるように感じておりまして、それは語っている「メディア」自身の自意識にほかならないのではないかと思います。
しかし、この本はその表面的、漂流的な認識ではないことが「生活者は変わった。」という書き出しからはっきりと伝わって来ます。

ネットビジネスやプラットフォームを通じたユーザー体験、フリーミアムモデルやシェアといったコンセプトはいずれも米国から波及されたものですが、ユーザーとしての居心地は日本人としても馴染がいいです。
ところが提供者側になるとなかなか捗らない、、これが大方の印象ではないでしょうか?

日本が得意としてきた市場、例えば電機製品で、本当に欲しいと思うものがなぜ提供出来なくなってしまったのか、、これは謎ではありません。この本を読むと、その正体があちこちにかいま見えるようです。極論をしますと、顧客の心から距離を置き続けてしまったからですね。

生活者が変わった、ということは社員も変わっているはずですが、どういうわけか自社社員の人格と一般市場の人格をわけて考えることが当たり前になっています。このことが致命的な乖離を生んでいるということに気付いたら、ソーシャルシフトの本当の価値が判るかもしれません。

中国のある大きな工場にはこんな大書きがあるそうです。
「ドイツの品質・中国の価格・日本のサービス」
比較的規模の小さい企業や店舗では個性とサービスが光るところは周囲に沢山あります。大きな企業も本気になりさえすれば、世界有数の顧客サービスが提供出来るはずですね。

・・なんだか雲を掴むような曖昧で偉そうなものいいになってしまいましたが、ソーシャルシフトとは、そのくらい根本的な変革をもたらすコンセプト、ということなんです。

プランテックラボ:http://plantechlabo.co.jp/
ソーシャルシフト:http://media.looops.net/book/

米国でもBONSAI2012年02月02日 23:59

1-800 flowers.com
昨日ご紹介した「ソーシャルシフト」に実例として載っていた「1-800 flowers.com」は、フェースブック内でショップを完結させている点が注目されていますが、その品揃えの多さでも評判だとのこと。

なるほど、盆栽までしっかりと作り込まれていますね。
これまでヨーロッパやそちらのサイトでは時折見かけたのですが、米国のメジャーなショップサイトでこれだけ受容れられているのは初めて見ました。

Bonsai Make Perfect Gifts
 Living Art
 Something Special
 Natural Beauties
 Heaven and Earth
 Honored Traditions

・・と、レコメンドも中々本気ですね。
米国での今後の受け入れられ方が気になります。

1-800 flowers.com:http://ww30.1800flowers.com/collection.do?dataset=10291

利き手ではない方を使う2012年02月03日 23:59

今日、ビッグサイトで行われたスーパーマーケットトレードショーで、エヌ・イー・ワークスの三澤さんに久しぶりにお会いしました。
エヌ・イー・ワークスは島根のとてもユニークな会社で、三澤さんの経営観はこれからの会社のあり方にとってとても大切な示唆を与えてくださっています。

その三澤さんから、またまた大切なヒントを頂きました。
男性は左脳の脳梗塞が多く、右半身が麻痺してしまうと日常生活の様々な困難が生じます。特に食事に不自由するとQOLだけでなく体力、モチベーションも下ります。
そういう方々が利き手ではない方の左手でも食事ができる、トング状のカトラリーがニーズを集めているそうです。

なるほど「利き手(足・目)ではない方を使う」というのは、使う方のご事情、疑似体験、検証など様々な意味で有益な示唆に富んでいますね。
これからの開発に役立てて行こうと思います。

三澤さん、ありがとうございました!

エヌ・イー・ワークス:http://www.new-works.jp/
過去記事(お菓子「世界にひとつだけの花」):http://dmc.asablo.jp/blog/2010/01/25/

冴えた夜は星が見えます2012年02月06日 08:11

電線越し、南側の星空
2日から3日にかけてのこの冬一番の寒さと言われた夜は、冷え切った空気のおかげでしょうか、横浜でも一晩中雲の無い星空になりました。
それをまたまた微速度撮影、合成(比較明合成)した写真です。



5秒間隔で8秒露光、30fpsですので390倍のムービーです。
見えた、と言ってもこの程度か、、と星が綺麗な所にお住まいの方はお笑いになるかもしれませんね。
それでも肉眼では煌々としておりましたです。

油搾り機2012年02月07日 19:02

先週伺ったスーパーマーケットトレードショーで実演していました。

油搾り機
炒ったゴマが搾られて、、

油搾り機
油と搾りかすに分離されています。

当たり前なんですが、かすの方はカサカサで、搾り汁にエッセンスが凝縮されているのが実感されます。

これを数日寝かせて不純物を沈殿させ、上澄みを和紙で濾したらごま油の完成、だそうです。

家庭用ミンサー(ミンチ肉製造機)もありますので、家庭用の油搾り機も、、と調べましたら手搾りのものがありました。
電動でメンテナンスが簡単なものがあったら良いなぁ、、なんて、ちょっと欲しくなりました。

助けあうことの凄さ2012年02月08日 23:59

有名なお話だそうですが、ユニクロは身障者の雇用率が8%超、日本企業の平均の7〜8倍と断トツの高水準なんだそうです。
その理由がなるほどと思いました。

ある時、身障者を雇用した店舗の方が売上が伸びることに気付きました。調べて見ると、スタッフに身障者がいることによって様々な気付きがあり、工夫がなされ、結果的に顧客サービスが向上し、その効果として売上が伸びるという仕組みだったそうです。そして、積極的に雇用配置するようになり、それは現在も続けられているのだそうです。

先日、脳科学を研究されている方に、ミラーニューロンという共感や利他という現象に深く関わる脳細胞についてのエピソードとして聞いたお話です。

現在、ソーシャルネットワークを通じて起きていること、特に社会的意識の高いサービスほどスマートでエレガントな方法を志向しているように見えるのは、ミラーニューロンの働きと関連があるかもしれません。

私が実感する「デザインは贈り物」という見方、「他者への意識の方が、自己への意識のみよりも、多くの問題解決をなしうる」という経験則を裏付けてくれるようです。

梅が咲きました2012年02月09日 23:59

八重の白梅
今年はなかなか梅が咲きませんでした。何故なんでしょう、毎年同じように過ぎていた事がたった一月ずれただけでも気になってしまいます。

やっと咲いた梅からは清々しい香り。丁度盛りの臘梅と嗅ぎ比べられて、微妙に異なる甘さを楽しむ事が出来ました。

青い電線2012年02月10日 18:29

青い電線
今日、横浜の都筑で青い電線を見かけました。私ははじめて見たのですが、検索しますと10年前には登場していたようです。

そういう意図なのか別の理由かは判りませんが、空が青いので黒い電線より風景に馴染みますね。

オレンジのガードレールは蜜柑の里でしたでしょうか。欧州の街のように地域のカラーコードを日本の自治体が持つとしましたら、電線の色は風景を性格づける色になりそうですね。

ミチクサ 地中美術館バージョン2012年02月13日 12:52

アッシュコンセプトにて製造販売をして頂いているミチクサに、地中美術館専用の特注品が登場しました!

ミチクサ 地中美術館バージョン

ミチクサ 地中美術館バージョン
花留(剣山のような形のもの)の色が、淡いグレーになっています。
水を入れると透明な陰影を作り出して、花の色を引き立たせますね。

ミチクサ 地中美術館バージョン
パッケージも特別製。

もし地中美術館を訪れる機会があったら、ぜひ手に取って見て下さい!
買わなくても勿論結構です。(ホントは買って欲しいです(笑)

東京新名所 スカイツリー ゲートブリッジ2012年02月14日 23:59

今日、町内で出かけた視察の帰り道、東京の新名所スカイツリーとゲートブリッジを駆け足で見てきました。

スカイツリー
小雨に煙るスカイツリー。

ゲートブリッジ
若洲からみえたゲートブリッジ。

ゲートブリッジ
ゲートブリッジはこのあたりにあります。

スカイツリーの周辺にはビルが建ち始めましたが、足下は江戸以来の伝統を守る下町です。周囲がビルを埋め尽くすことは今後考えにくいとしますと、下町のど真ん中に唐突に立つ姿のユニークさが、賑わいとともに続きそうで面白いですね。

ゲートブリッジは新旧の埋め立て処分場をつなぐ一般道です。雨に煙るスカイツリーと下町とゲートブリッジを走り抜け、羽田を通って帰ってくると「京浜工業地帯」という言葉が蘇るような感覚で浮かんできました。
dmc.
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