もととなるもの 非日常の日常を夢想する2010年10月21日 23:59

日本人は日本の事についてかかれた本が大好きなんだそうですが、繰り返されるあるべき論の中で良く言われている「模倣と独創」について、最近も何回か見聞きしました。

「独創」ということについて思っていきますと、私自身の出自を越えて、日本の歴史、またアジアの歴史、はたまた人類の歴史まで俯瞰して、どのあたりで枝分かれすれば「独創」と言われるのかが興味深いですね。
「独創」の定義は各方面の専門の方々に譲るとしまして、後にあれは独創的だったと言わしめるものは、やはり「もととなる」ことでしょう。

インターネットはアメリカ軍の通信手段の研究が元となっているそうですが、その研究目的自体は「どんな状況でも繋がる手段」と、非常に現実的であったそうです。
しかしそこで判断したのは充実していた無線や最新の衛星でもなく枯れた技術であったはずの有線でした。
詳細は存じ上げませんが、通信の必要な想定される事態と求められる仕様、その優先順位等、この判断を下す背景こそが重要なのでしょうね。

話を日本に戻しますと、日本は世界の中でもユニークな歴史と地理的状況を持っています。これは未来において独創的な「もととなるもの」を発信出来る可能性があると言えるかもしれません。

例として、ひとつ妄想を。。
日本で、上記インターネット発祥の元となった事態、つまり壊滅的な事態になった時、何をどう備えていればいいでしょうか?

日本は地震大国であり火山大国で四方を海に囲まれて山深いです。複数の都市が壊滅するような噴火と地震が同時に起こったら?

まず、通信手段はインターネットがありますね。阪神淡路大震災の際もインターネットが唯一の通信手段として機能しました。
では移動輸送手段はどうでしょうか?震災の際も問題になりましたが、道路はずたずたで使えません。ヘリコプターはピンポイントでは頼もしいですが大量の運用はリスクが増え、何より燃料がすぐ切れるでしょう。飛行場も限られています。さて、どうすれば。。

私の妄想する未来はこうです。
日本は長く海洋国です。その技術も経験も日本中の各地で培われてきました。「津々浦々」と言いますが、各地でそれぞれの地理的背景に馴染むやり方が培われてきました。これを再開発しましょう。

港はすでに沢山ありますから、各地の道路化された運河を元に戻し、船の遡れない堰は航行可能なものに建替えます。低い橋は開閉式にしましょう。開閉は手動式でもいいでしょう。
大都市圏の地下道は水を入れられるようにして、いざとなったら世界初の地下水運に。
ヘリや自動車は水路の届かない山間部の新興都市への補助手段にしましょう。

全ての船に自然エネルギー(太陽、風、波)動力を搭載し、化石燃料が途絶えても運用出来るようにします。

法規では自然エネルギー運用を義務化して環境浄化するとともに、船を起因とする水質汚染に対する監視を強化します。
運行はすでにある国際ルールを厳密徹底運用して、何処の国の人でも安全に航行出来るようにします。

メーカーは沢山の魅力的な水陸両用船を開発し、保持保安も心配なく、誰でも自分用の小さな船を持っている。。

私の妄想におつきあい頂いて大変恐縮ですが、上記のような国を想像して見て下さって、行って見たい、住んで見たいと思って頂けたら、望外の喜びです。
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.