聴く技術「サウンドスケープ」2冊2010年10月04日 23:59

サウンドスケープ
先日、Iさんから「サウンドスケープ」2冊拝借いたしました。

1997年 鳥越けい子著「サウンドスケープ その思想と実践」
2008年 小松正史著「サウンドスケープの技法 音風景とまちづくり」

サウンドスケープは「音風景」という造語ですが、これをカナダの音楽家マリー・シェーファーは人々を取り巻く音の概念として「これをデザインしよう」と提唱しました。
「騒音」の問題意識から出発しているのですが、それを禁止規制の対症療法的で固定的な方法論で進めて行く事に限界を感じたようです。

興味深いのは「騒音」をまとめて切り離すのではなく、私たちを取り巻く音に一つ一つに耳を傾け、そこに風景を感じていく作業が、音楽そのものの発見である、ということでした。

話がそれますが、今日私は真鶴に行き、背戸道と呼ばれる生活路地を歩きました。そこで耳にしたのはすぐ近くの港の船や機械の音です。私にはそれが騒音ではなく、安心感のある環境音として響きました。
絶え間ない港の操業音に時折響く鴎の声、不意に訪れる静寂に現れる波の音。真鶴の音風景です。

私たちの日常の中でも、聴覚に留まらず「耳を澄ませるように感じて行く事」でその隠された美しさや価値に改めて気付くのでは、、そんなことを感じました。

Iさん、引続きご指導よろしくお願いいたします!
dmc.
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