スタジオ移転のお知らせ(再掲)2011年08月22日 23:59

今年は長めの夏休みを取られた方も多いと伺いますが、もうほとんどの方が日常に戻られたようですね。
私は先週末の町内のお祭りの名残が雨に流されて、すっかり夏が終わった気分でおります。

さて、近々移転を予定しておりました弊社のスタジオの移転日が9月5日に決まりました!

新スタジオは関内徒歩5分、大通り公園沿いの花に囲まれたオープンスタジオです。
http://ow.ly/5B68g (青木フラワースタジオ内・フラワー教室随時開催)

新スタジオは20名程度まで入れますので、小規模なワークショップも可能です。開かれた新しいプロジェクトをここから発信出来ればと思っております。

なお、情報セキュリティに万全を期して、これまでも立ち入り制限させて頂いていた作業スペースは今後は完全非公開とさせて頂きます、、なんていうと物々しいですね。でもしっかり守るところと広げるところは供に大切にして行きたいと思います。

言葉ではない何かで通じるために2011年08月23日 23:59

店内
今日、出張先で入ったフレンチレストランのご主人と思いがけず話しが弾み楽しい時間を過ごしました。
その中で「お客様と通じあう」ということの面白さと難しさについて、料理とデザインに相通じるものが沢山有りました。

伺えばご主人は会話が苦手だそうです。だから一人でお店に入ってきたお客様がいると緊張してしまうのだとか。確かに、最初の会話はぎこちなかったのですが、料理から伝わるものがイメージを膨らませて、そのたどたどしい会話もまた味わいになっています。
料理からうける印象と人柄との関連は本当は私の勝手な想像に過ぎないのでしょうけれど、お店や料理とあわせて受取った印象が言葉と言葉の間を埋めてくれます。ここに妙があるのでしょうね。

この補完がいかに大切かはデザインの中で重々思い知らされている所です。そしてそれを意識的に作ろうとしても必ずバレてしまうということも。

本当に上手い人は心を込めなくてもいいものが作れるそうですし、スポーツは力みを嫌いますから、表層の精神論的な「心を込める」というのは意味を成さないのかも知れません。
しかし、全てに気を配りより高みを目指す態度を外部から見た時に感じるものがあるとしたら、それはやっぱり心なのかもしれません。

【FAX停止のお知らせ】2011年08月24日 23:59

お知らせスタジオ移転に伴い、FAXの送受信を一時停止させて頂きます。再開は9月5日を予定しております。
FAXをご利用の皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解賜ります様よろしくお願い申し上げます。

ところで、最近はFAXを利用する機会がめっきり減りました。スパムも多く情報の秘守という意味でも廃止している会社も増えてきたそうですね。弊社でも今回の移転で思い切って廃止してしまおうかと検討しましたが、今回は見合わせました。いずれ廃止することになりそうです。

「苦労せんと努力しいや」2011年08月25日 23:59

含蓄あるなぁ、、と移動中たまたま耳にしたラジオからこぼれた言葉に耳がとまりました。どなたでしょう、関西弁の女性の声でした。

いわば「前向きに」というシンプルなメッセージなんですがもう少し手応えと言いますか実感のある自分事になった言葉ですね。

名残の夏2011年08月26日 23:59

ひまわり ミチクサ 普洱茶
今日は突然の豪雨でしたが、皆様はご無事でしたでしょうか?予報が出ていたとはいえ、本当に突然でしかも激しくて驚きました。私のいた降雨域の端(横浜南部)でも視界が数メートルになる時間帯がありました。被害に遭われた方の速やかな快復をお祈り申し上げます。

この激しい「ゲリラ豪雨」という現象は、日本が熱帯化している証拠だとおっしゃる方もおられるようですね。確かに「細波が浜を洗うように穏やかに移ろう」といった日本の四季らしい変化を感じる事が少なくなったかもしれません。

それでも、立秋を過ぎたあたりから虫の声が聞こえたり夕方が涼しくなったりして、秋らしい気配がしています。少々荒っぽくなってしまった季節の変わり目ですが、夏の名残を楽しみたいと思っています。

畳の部屋2011年08月29日 23:59

旧花咲町スタジオ ミーティングルーム
以前よりアナウンスさせて頂いておりますが、弊社スタジオは関内万代町へ移転します。それにともない今日、花咲町スタジオを閉じました。

沢山のお客様が来て下さったこの「畳のミーティングルーム」、自分で言うのも憚れるのですがとても評判が良かったです。リラックスして話が弾み、時に大いに脱線して人生相談みたいなこともありました。外国の方も畳を楽しんで下さり、あるイギリス人は心底気に入って下さって長時間の会議になると率先して寝ころんでいました。狭いところに膝をつきあわせる、という距離感が良かったのでしょうね。日本的メンタリティの背景に畳があることを再認識するような思いでした。

この畳も、感謝の気持ちを込めて掃除してきました。いずれまた、このような「親密な空間」を設けたいと思っています。

繋がる世界は大きな日本(?)2011年08月30日 23:59

シェア、サスティナブル、ソーシャル、エシカル、、昨今見聞きするキーワードが語られるサービスや消費傾向を眺めていますと、節約して大切にとか、みんなで気持ちよくとか、古い日本の良い面の価値観が見え隠れします。

またコミュニケーションもコンテンツリッチからコンスキストリッチへと流れていて、ここにも信用や繋がりを大切にする日本的なものを感じてしまいます。

思えば変化に富むお国柄と方言を持つ方々がいて、多くは低気密密集住宅に住み、緩い相互監視の中で振舞いを教わり、限られた物資を使っていたわけですから、ITによって大きくなってきた「ソーシャル」の中に、同じようなアイデアが見いだせるのは当然なのかもしれません。

もっともそれは私が日本にいる日本人だからなのですが、それでも情報技術の発達による「関係性の近さ」を前提とした社会感覚は大いに参考に出来るかも、、そんなことを思ってしまいますね。

忘れよう2011年08月31日 23:59

昨日、ITによって表れてくる「近い関係」に、日本の古い価値観が見え隠れすることを書きましたが、大きく違うなと感じることも沢山あります。

例えば「人の噂も七十五日」「水に流す」「時間ぐすり」という言葉があります。これらは忘れる、変化すると言うことが社会的振舞いの中で自然なことを表していると思います。
しかしITの記憶はいつまでもセンセーショナルに残ってしまいますから、積極的に忘れる仕組みが必要になるでしょうね。かつては瞬間的に消えてしまうことの方が問題視されていましたが、今はその逆になりました。
「忘れる」これからの大きなサービステーマになるかも、、そんなことを夢想しました。

いつでも気軽に古い記憶にアクセス出来る状況はもしかしたら暮らしにくいかもしれません。もっとも、大人になる過程で、記憶すら曖昧なはずの成長期の自分をつぶさに再記憶する機会の多い人たちはどうなのでしょうかね?気になるところです。
dmc.
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