感覚の優先順位と記憶2010年06月29日 23:59

少し前にテレビで、「音によって見え方が変わる」という錯覚を紹介していました。

例えば、「ピピピ」と音が三回なると同時に画面の絵が二回点滅する時、絵は三回点滅して見えてしまう。。

また、二つの点が画面の左から右へ、右から左へと同時に行き来する映像で、二つの点が中央で重なる時に「コン」という音がすると跳ね返っているように見え、「シュッ」という音にするとすれ違って見えてしまうのです。不思議ですね。

これは視覚より聴覚の方が優先するように出来ているからだそうです。
音の専門家のI氏に伺いましたところ、、
「センシングから脳に届くまでの時間は、視覚が50ms、聴覚が10から20msといわれてます。意外と時間がかかるんですよ。」
と教えて下さいました。
Iさん、いつもありがとうございます!

それでは、他の感覚の優先順位はどうなっているのでしょうか?
味覚、嗅覚、触覚は他の感覚とどの様な関係にあるのでしょうね。

出展は不明ですが、目と鼻の利かない状態でリンゴを噛るとジャガイモと錯覚するという話を聞いた事があります。リンゴの甘さ=味覚より、歯触り=触覚がは判断には用いられた、と考えられますし、香り=嗅覚の方が食べ物の識別には重要そうにも思えます。

また、目の前で沸騰しているお湯を見ている人の手に、不意に氷水を垂らすと「熱い」と感じるという話も。

勿論これだけの材料では結論は出せないのですが、触覚や嗅覚といった原始的な感覚の方が優先順位が高いながら、記憶から導かれる予測が判断に大きく左右する、、そんな構造を感じています。
学術的に研究された方がいらっしゃったらぜひ教えを請いたい分野です。

さて、、なぜこのような事に思いを巡らせているかと言いますと、それはやはりUIへの応用を考えたいからなのです。
現状のUIは、視覚が中心で、聴覚は補足的な役割ですし、他の感覚はまだまだ未開拓な分野ですものね。
ここは沃野なのか、不毛の大地なのか、、。興味深いです。

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