スタート!2010年07月01日 23:59

私事ですが、弊社は昨日が決算日でした。
おかげ様で、無事に新しい一年を迎える事が出来ました。これも皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます!

来年四月で弊社も満十歳。十代の始まりは元気にやんちゃに真っすぐに突き進む所存です!

これからも倍旧のご愛顧を賜りますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

ローカリゼーションマップ ブレストに参加してきました!2010年07月02日 23:06

twitter上でオープンに議論されている「ローカリゼーションマップ」のブレーンストーミングに、中心者の安西さんからお誘い頂いて、急遽参加させていただきました。
メンバーは浅香さん、中林さん、神吉さんです。浅香さんと中林さんはJIDAでもご活躍されていて、神吉さんはAXISで編集をされている方です。
そんなコアなメンバーに光栄にも私も参加させて頂きました。

ここで議題に上がっている「ローカリゼーション」は、日本のもの(製品、サービス等)を他国で展開する場合に、その地域の事情にあわせて最適化して行く事をさしています。
現在は、それぞれのメーカーや販売会社が個別的に経験値を高めている状況ですが、それをもっと効率的で集合的な知に高めよう、というのが狙いです。

また昨今は、日本のものをそのまま提供する事の方がよい場面もあると考えられますが、「製品はローカリゼーションしない方がいい」という見極めはどうすればいいかもこの議論の中に入ると思います。

ローカリゼーションの成功事例として思い出すエピソードはいくつかありますので、それを記して見ます。

「カップヌードル」
米国市場で、即席麺としては売れず、「スープ」として売り場に置いてもらう事でブレークしたといいます。これは商品の「ポータルをローカリゼーションした」ということかもしれません。

「マンダム」
アジア圏で、整髪料はデートの時など特別な機会に購入するというニーズを捉え、1回分の小袋をタバコ店等で個売りする事で成功したといいます。これは製品の中身(芳香や清涼感や整髪機能)、パッケージ、販売、ブランドイージまでほとんど全てをローカリゼーションしたと言えると思います。

カップヌードルの事例でとても示唆的だな、と感じますのは、他国で受け入れられている日本のものが、日本人が感じている価値と同じかどうかは精査した方がいい、ということですね。当然ではありますが、この視点を持った方がより戦略的に振舞えますものね。
もちろん、商品とサービスには自信を持ち、胸を張って堂々とした上でですけれど。

7月末にセミナー又は勉強会が持たれる予定です。
引続き勉強して行きたいと思います。

安西さん、浅香さん、中林さん、神吉さん、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いいたします!!

なお、twitter上で「#lmap」を検索すると、現在の進捗を見る事が出来ます。(ちなみにこの検索機能はtwitterでハッシュタグと呼ばれています。ご存知ですね。)
ぜひフォローして見て下さい!

「チャンスは人からもらいなさい」2010年07月05日 23:59

秋田英澪子著「チャンスは人からもらいなさい」を読みました。

「チャンスは人からもらいなさい」

著者は「チャンス☆コーディネーター」で「キャリアカウンセラー」です。
・・ちょっと怪しいですね(失礼!)
でもそのストレートで平易な文面から伝わって来るのは力強い楽観です。成功は感謝して、失敗はさっさと忘れて、、楽しそうにどんどん前へ進む姿が浮かびました。

この本には、仕事の人間関係において「どうしたら可愛がられるか」が、ちょっと刺激的な行動原則として紹介されています。

例えば、、
・恩返しはしない
・何も知らないふりをする
・逃げてもよし
・お礼メールは出さない
・いつまでたっても変わらない
等々。

これらは読めばわかりますが、ビジネスマナーの本音にもう一歩入り込むための問題提起であり、コツをつかむための手掛りになっています。
平易な表現で相手に響く伝え方を工夫する、というのは直接は触れられていませんが、私も大切にしたいところです。

また、この本はツイッター上で久米信行さんのつぶやきから知りました。久米さんの「がんばっているのに報われない人のための 「認められる!」技術」に通じているとも感じました。
ぜひあわせて読んで見て下さい!

リゾート!2010年07月06日 23:59

写真はハワイです。
ハワイ

ハワイ

ハワイ

ハワイ

蒸し蒸しする湿度100%の夜が続いておりますので、しばし気分だけでもリゾートをと思いまして、、。
ぜひ訪れてみたい素敵なリゾートが沢山ありますが、あちこちに行かれた方の話を伺いますと、ハワイのホスピタリティはやはり特別だそうです。
のんびりと家族で訪れたい所ですね。

みなさま、どうぞさわやかな夜をお過ごし下さい。。

自然の優しさと激しさ ジョー奥田さんご来社!2010年07月07日 23:59

昨日、ネイチャーサウンドアーティストのジョー奥田さんが弊社を訪ねて下さいました!

ジョーさんは米国ロサンゼルスを拠点に活動されているアーティストでありプロデューサーです。歯科医師の資格を持ち、米国でドラマーとして活躍、その後プロデュースを沢山手がけられました。
その一つ、サザンオールスターズのカバーアルバムをご存知の方も多い事と思います。
現在は自然音を世界各地で録音し、編集した作品を発表されています。

私はジョーさんの「AMAMI」が大好きです。奄美大島で録音された森の夜明けや雨、鳥の声、波が砕ける音。そこに風に乗って聞こえてくるかのような島唄。。

はじめは丁寧に録音された自然音の、表情豊かな音の粒を追いかけて行くのがとても気持ちいいのです。
そして、その自然音のダイナミズムを楽しんでいるうちに、明確な創作意志によって描かれたであろう物語のシルエットが感じられるようになります。
しかしその物語のシルエットは、決して饒舌になることはなく、気配のように波間に消えて行く。。
最後の波に消える泡の音の余韻が素晴らしいです。
皆様にもぜひ一度体験して欲しいです。

そのジョーさんが、何故コウノの所に?とお思いかもしれませんね。
ジョーさんが進めておられる自然音のiPhoneアプリのプロジェクトのUIデザインに私が手を上げたら、お声をかけて下さったのです!
そのやり取りはtwitter上でしたので、ご覧頂いた方もいらっしゃるかもしれません。

さて、そのアプリですが、まだ具体的な事は申し上げられないのですが、ジョーさんの柔らかい雰囲気と自然音の優しさとその裏側の激しさがピリッと効いたもの、、そういうものを届けられたらと思っています。

ジョーさん、ありがとうございました!
よろしくお願いいたします!!

ジョー奥田さん
ホームページ:http://www.joeokuda.com/
プロフィール:http://www.joeokuda.com/pdf/joe_profile_2009.pdf

デザインの対立軸を俯瞰しよう2010年07月08日 23:59

デザインに関する議論の中でよく耳にする対立軸があります。
実際の現場でも問題になる事がありますので、思い出すままに挙げて見ましょう。

アート × デザイン
アート × サイエンス
スタイル × 機能
コスト × 品質
・・・

アカデミックな整合性はともかく、もっと様々に、例えば「営業×企画」なんていうのもありますね。

どの対立軸もそれぞれの事情がありますが、理想と現実という意味合いで、一方を優先すれば一方を妥協する状況が起こりえます。

しかし、デザインの本質(の少なくとも一部)が問題解決とするならば、それぞれの対立軸で妥協ではない両立を探ることこそ、デザインの役割かもしれません。
その場合「×」は「バーサス」ではなく、文字通り「掛ける」になりますね。

対立を感じたらそれを俯瞰していくこと。
そのスタンスが大切なのでしょう。

よく考えられている事2010年07月09日 23:59

昨日は、対立する価値観を妥協ではなく両立させることがデザインの本質的な役割なのでは、、と書きました。
本質論的には、まったくその通りだと思っているのですが、実際の現場感覚では、それらに加えて絶対に忘れてはならないことがあります。お金と時間です。これらも含めて解決を図ることが大切です。

企業活動において、あるレベルで妥協するか、妥協をせず徹底して全ての課題をクリアするか、は「時間の問題」であり「予算の問題」です。製品発売のタイミングとかかる開発費に直結するからですね。
つまり、企業活動におけるデザインの品質は、かけられる開発費に左右されやすい、ということになりそうですが、実態は大きく違います。
時間の掛け方、予算の掛け方で検証出来る仮説の量が大きく変わりますし、意思決定の仕組みによってスピードが大きく変わるからです。
同じ予算と時間でも、知恵を絞って沢山の仮説を素早く検証する。これは品質向上を促すと言っていいのではないでしょうか。

この「全ての要因がよく考えられて導かれた知恵」、予算配分と意思決定方法と言う通常ではデザイン(部署)の外側の要因までを含んだ解決を、デザインと呼ぶべきかもしれませんね。

徹底的に使う人とほとんど使わない人2010年07月12日 20:26

一つのものをデザインする時、徹底的にターゲットイメージを鮮明にしてそこへ向けてデザインする、というアプローチがあります。
プロダクトでも広く効果を発揮しますし、大勢が判断基準を共有するためにも使い勝手がいいです。

ただ、この方法論は人が変化することを一般的には想定していません。
例えば初めて買うエントリーモデルと、もの足りなくなって買う高スペックモデルは、「見かけ上別々のターゲット」と捉える発想で作られています。しかし実際は一人のユーザーが時間差で買う、というのはよくあります。ユーザーが変化すると、別のターゲットになってしまうのです。
細分化した方が市場が盛況になりますので、判っていてあえて無視していると言う方が正確かもしれませんね。

また、この実際には好みも習熟度も興味の深さも「変化する一人のユーザー」をターゲットとして捉えたデザインもあります。

このアプローチでとても有効な方法を一つご紹介します。それは「徹底的に使う人」と「ほとんど使わない人」の両方のユーザーを知る事です。
この両者の対比には、習熟度、生活内での位置づけ、価値観、ライフスタイル等の、時間に伴う変化をひもとくヒントが沢山あるのです。

一つの商品を長時間使用する市場ではとても大切な観点です。例えば、最近注目を集めているBOP市場にはとても有効でしょう。

UIが拓く2010年07月13日 23:59

今日、お客様に教えて頂いた2歳の子供がiPadを使いこなしているムービーです。
検索してみますと、このムービー以外にも沢山の小さな子供達がiPadを扱う姿が見られます。



以前にもお伝えしましたが、20年ほど前は幼児(3〜5歳)にマウスを使うGUIを与えても何も反応がありませんでした。
また、使って見せても画面の中の変化(ボタンの点滅等)に反応する事もありませんでした。
一方、上のムービーに見られるように、現在は幼児でもタッチインターフェイスなら使えてしまいます。凄いですね!
またこれは推測ですが、子供は親などの周囲の年長者の姿を見て模倣するのですから、すでに周囲の大人が日常で使用している事も大きなメッセージになっている事でしょう。(このムービーの少女は使い方を教わっていると思いますけれど)

また、数日前にみなとみらいのコーヒーラウンジで、60歳を大きく超えていると拝されるご婦人方が、iPadを覗き込みながらレストランの検討をしていました。
極自然な光景として風景に馴染んでいましたが、やはり凄いことですね!
UIとはこう言う事なのです。

Panasonicの製氷皿2010年07月14日 14:54

8年間使用した仕事場の冷蔵庫が壊れたので、Panasonicブランドの2ドア(NR-B142)に買替えました。偶然にも、使用していたNational製2ドアの後継にあたるもののようです。

サイズやレイアウトはほぼ同等なので大きな差はありませんが、棚がガラスになったり、最下段が引き出しになったり、卵ホルダーが廃止になったりと、使い勝手の細い工夫があります。特に印象的なのは「製氷皿」です。

一見したところ普通のものですが、細い所が工夫されています。

まず、氷庫の上に皿を吊る置き方。
製氷皿 Panasonic
こうすると必ず平らになり、冷気も均等に当ります。また直置きではこぼれた水が凍って貼付いたりしますが、その心配もありません。

次に製氷皿の素材と形。
製氷皿 Panasonic
少し判りにくいのですが、水が玉になっている様に、従来のものより格段に撥水性のある素材(または表面処理?)と角のない形状で、氷が剥がれやすくなっています。
さらに、縁の高さを水面から余裕たっぷりにとっているため、持ち運びの際に水をこぼす心配がほとんどありません。
私はこの「こぼしそうな所を気を付けて運び入れる」が大嫌いだったので、この工夫は本当にありがたいです。

自動製氷が主流の中で、そのフィードバックを活かしながらとてもよく研究されているなぁ、と嬉しくなりました。
こういう仕事をして行きたいですね。
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.