ボタン配置2011年01月24日 23:59

テンキーの配列が、電話と計算機では逆になっていますが、これはこのまま続いて行くのでしょうか。

タイプライターの文字配列は、左上の文字列から「QWERTY配列」と呼ばれていますが、これはわざと打ちにくくして故障を減らす為だったと言われています。これは有名なエピソードですね。

ユーザーインターフェイスのデザインでボタンの配列をする時、ボタンと対応するものがあればその配列をそのまま使用するのが最も自然です。例えば、部屋の照明スイッチは、照明の配置通りにスイッチが並んでいると使いやすいです。
しかし、上のテンキーや文字の様に、対応する実態がない場合はどのように並べたらよいのでしょうか。

たとえば、JIS配列ではない、50音の並べ方を比較してみます。

1)縦書のルールで並べる
  なたさかあ
  にちしきい
・・ぬつすくう
  ねてせけえ
  のとそこお

2)横書きのルールで並べる
 あいうえお
 かきくけこ
 さしすせそ
 たちつてと
 なにぬねの
   ・
   ・

どちらが使いやすそうですか?
どちらも実際の機器に使われている配置です。縦書で左側から「あかさたな」と並んだものもあります。

文字以外でも、テレビのチャンネルと音量、カメラのズーム等も、身近にありながらメーカーによって異なる(場合によって同じメーカーでも機種毎に異なる)ものが沢山ありますね。

それぞれの理由でそのように並んでいるはずですが、様々な事情を汲み取る事が出来ます。
上の「1」は、日本の縦書習慣からキーを並べたものですので自然です。でも実際に入力される文字列は横書きがほとんどですから、「2」の方が自然かも知れません。どちらを自然と感じるか、どちらが望ましいと考えるか、、悩ましいですね。
例えば「ケータイ小説」のように横書きが強く意識される状況が明確なら「2」とすべきかもしれません。
このように実際の製品の市場の文化やユーザー層に則して決められればいいのですが、そうならない場合は、メーカーとしての考え方が問われてしまうでしょう。

ボタン配列はたったそれだけの事なのですが、とても重要な要素なのです。
dmc.
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