ジャストフィット!2012年10月01日 23:12

トリカブトと蜂
山道はキョロキョロして歩くのが好きなのですが、先日はトリカブトの蜜を吸っている蜂の可愛らしい動きに目が留まりました。

蜂が止まりやすく突き出た花弁は、蜜に誘われて入ると体中に花粉がつくようにカーブして、中の雄しべと蜂が接触するように包み込みます。
出てきた蜂は別の花の雌しべまで花粉を届け、それを繰返していました。

花の形と虫の行動については多くの研究があるそうですが、こうして見ると全ての造形に無駄がないように見えて唸っておりました。

とうふの日2012年10月02日 23:21

今日はとうふの日だそうで、、理由は102、ですよねきっと。

思い出話になりますが、30年くらい前まではどこの町内でも豆腐屋さんがあって、私の家の近くにもありました。
私たち子供が起きる頃には豆腐も油揚げもとっくに出来ていて、お使いに行くと大豆を煮た香りの湯気が溢れていましたね。あの匂いは好きでしたが、帰り道に落として壊した記憶とセットになっています。

ところで、豆腐は子供の時は「無味」と感じていたのに、大人になると「豆の香りと味」を感じる様になります。嗜好の変化ということもありますが、味覚は年令と経験で大きく変わるのだそうです。ビールの苦味ももともと不味かったものが、楽しい経験を通して「美味しい」と感じる様になり、美味しくなると苦味の差違に敏感になるのだそう。

桧風呂などで針葉樹の香りが好きになったりするのも同じ事だそうです。

きっと光や音にも同じようなこと(経験で好きになる)もあるでしょうね。例えば耳が痛くなるような大音量とまばゆい光線は、子供には痛い位のものですが、大人になると楽しくなる人は沢山いらっしゃいます。

これは当たり前の事なのですが、目の前の嫌悪感や忌避に対して、それを乗り越えさせる仕組みが人間にはある、ということを示していて、デザインとしてもとても大切な知見だと思います。
「生理的に無理」って一生続かないってことですからね。

(・・ちなみに、、肌触りは性的な成熟で劇的に変化、だそうです。)

雨の中の夕陽2012年10月03日 23:37

雨の中の夕陽
今日の夕方、風が湿ってきたなったなぁと見上げると、ピンクとオレンジの混ざった妖しい色が一面に。
不思議な高所感があって、夕陽に染まる雨雲の中に入った様でした。

写真だと平板になってしまっていますが、色相の幅と奥行きとざらっとした質感と、そしてほんの少し自発光しているようなこの色、しばし見とれておりました。

すさまじいほどの明るさ2012年10月04日 23:59

流通ジャーナリストの金子哲雄さんがなくなられました。

ニッカンスポーツ[金子哲雄さん、通夜参列者に手紙 。]
http://ow.ly/efAaf

生前の金子さんは時折テレビやラジオでお見かけし、「お得」をぐいぐい押してくる面白い文化人、というくらいの認識でおりました。しかし、葬儀の参列者に配られたという亡くなるられる前日付の手紙を拝見し、その「明るさ」に圧倒されました。
沢山の恐怖、無念、焦燥が襲い、体調が日に日に悪くなる中、覚悟を決めて行動されたと拝しますが、私の想像力でははかりきれないほどの決意があったことでしょう。心から尊敬しますとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

以下、全文を引用させて頂きます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 このたびは、お忙しい中、私、金子哲雄の葬儀にご列席たまわり、ありがとうございました。今回、41歳で人生における早期リタイア制度を利用させていただいたことに対し、感謝申し上げると同時に、現在、お仕事などにて、お世話になっている関係者のみなさまに、ご迷惑おかけしましたこと、心よりおわび申し上げます。申し訳ございません。

 もちろん、早期リタイアしたからといって、ゆっくりと休むつもりは毛頭ございません!第二の現場では、全国どこでも、すぐに行くことができる「魔法のドア」があるとうかがっております。そこで、札幌、東京、名古屋、大阪、松山、福岡など、お世話になったみなさまがいらっしゃる地域におじゃまし、心あたたまるハッピーな話題、おトクなネタを探して、歩き回り、情報発信を継続したい所存です。

 今回、ご縁がありまして東京タワーの足元、心光院さまが次の拠点となりました。「何か、面白いネタがないかな?」と思われましたら、チャンネルや周波数を東京タワー方面に合わせ、金子の姿を思い出していただけましたら幸いです。

 このたび、葬儀を執り行うにあたりまして葬儀社のセレモニーみやざき 宮崎美津子さまには生前より真摯(しんし)に相談にのって頂きました。また、自分の歩んできた道とゆかりのある港区東麻布を終(つい)の住処とすることをお許しいただきました、浄土宗 心光院 御住職 戸松 義晴先生には公私にわたり、死生観などのアドバイスをちょうだいしました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございました。

 最後になりますが、本日、ご列席下さいました、みなさまのご健康とご多幸を心よりお祈りしております。41年間、お世話になり、ありがとうございました。

 急ぎ、書面にて御礼まで。

 平成24年10月1日

流通ジャーナリスト 金子哲雄

「#電線クラブ」ご紹介頂きました!2012年10月05日 23:59

ツイッターでハッシュタグ「#電線クラブ」をつけて電線の写った写真を投稿する遊びを続けてきたのですが、それが日経パソコンに掲載されました!

いつも沢山の示唆を下さる久米さんが、10年連載なさっている「焦点」というコラムでご紹介下さったのです。
久米さん、ありがとうございます!!

http://ow.ly/egngI

「電線が好き」って、見る(聞く)とちょっとおかしいですよね?
でも邪魔だと思っていったもの、美しくなかったものが味わいになったりするんです。この転換は気持のいいものなんです。
もしよければ、ツイッターで「#電線クラブ」を検索して見て下さいませ。

カメラクリップ 「Peak Design Capture」2012年10月09日 22:03

山歩きでカメラを持ち歩くのに難儀していましたところ、こういう製品があると教えて頂きました。
Peak Design社の「Capture」です。

Capture by Peak Design from Peter Dering on Vimeo.



早速購入、試して見ます。
Capture

capture

ネジ(十時のパーツ)を緩めるとV時に開きます。この間にリュックのストラップやベルトを挟み込みます。
capture

赤いボタンを押すとクイックシュー(カメラ固定部)が外れます。
capture


一日山歩きで(6時間半)使って見ました。
良い所はやはり収まりの良さです。ネックストラップは大きく揺れますし首にも負担がかかりますが、リュックに固定なら両手があき、姿勢も取りやすいです。
また、誤落下防止にネックストラップをつけたまま使いましたが、それは気になりませんでした。慣れればハンドストラップだけに出来ると思いますが、このままでも良さそうに思いました。

難点はムービーからイメージしたほど取り外しが簡単ではなかった事。
capture

右手のグリップで赤いボタンを押しますが、私の手では結構遠いです。
また、シューを動かす角度と本体の角度がしっかりあっていないと抜き差し出来ません。これはしっかり止まるために遊びが少なく出来ているからだと思います。
この2点、一日の使用では最後まで慣れる事はありませんでした。

とはいえ収まりの良さは魅力ですので、慣れれば使いづらさは軽減されると期待して、暫く使って見ようと思います。

もうひとつ、本体がごついので、装着部分が痛くなりました。
これは私がへたれなので、ご参考までに

特異日2012年10月10日 23:47

今日は10月10日、「ハッピーマンデー」が導入されるまでは体育の日でした。横浜では午後は少し崩れましたが、以前の体育の日らしい秋空になりました。

今年の体育の日は8日で、地元でも運動会が開催されました。ここ数年は雨がちで、今年も午前中は激しく降られました。

「やっぱり晴れる10日がいいよね!」とは皆さんのご意見。私も「10月10日は晴れの特異日だから東京オリンピックの開会式に選ばれた」という話を信じており、大いに賛成しました。

ところが、Wikipediaによると「晴れが多いから10日に選ばれたが、晴れの特異日と言えるほど確率は高くない」だそうです。
それは意外ですねぇ。。
統計的な真実以上に、体感的に「晴れる」という実感があります。

ちなみに次の晴れの特異日は11月3日だそうです。この日は個人的な記念日なのですが、その日は少し降られた記憶が、、。
ちょっぴり認知的不協和、です(苦笑)

http://ja.wikipedia.org/wiki/特異日

技術が変えるスケール2012年10月11日 21:28

ハノーファーの模型
ドイツ北部ハノーファー市庁舎に飾られていた、ハノーファー公国首都の模型です。写真を整理していたら出てきました。
(17〜8世紀の姿と思われますが詳しくは判りません。)

この星形の堀の形は15世紀のイタリアが発祥で、長くヨーロッパの要塞に採用されていたとのこと。「弓矢から小銃へ」という技術革新に伴う戦術の変化がデザインに現れています。
日本では函館の五稜郭が有名です。しかし、五稜郭が作られた19世紀には既に火器の性能が向上し、このデザインでは軍事的な意味が無くなっていたそうです。つまり「外観の目新しさ」のためだけに採用されたデザインでした。

このエピソード、とてもひっかかるものがあります。
一つには狭い範囲での目新しさが、本来の目的を超えて優先されてしまう事。
もう一つには技術革新と戦術の結びつきに疎い事。

火器の届く範囲と性能が軍事上の戦術を根本的に変えると言うのは基本中の基本だそうです。
私は軍事の事はさっぱり判りませんが、技術革新が市場での優位と企業戦略を大きく変える、と言い換えれば少し実感が湧きますね。

しかし、(私を含めた)日本の現場においては、技術革新を「品質」と捉える事には敏感でも、「スケール(時間と距離)」と捉える事には鈍感なような印象を持っています。

例えば、汎用技術に対して性能差で勝負を挑むことはあっても、その「汎用さでの勝負」には出遅れがちだったと悔やむ声は度々聞きました。この「汎用さ」をスケールの問題と捉えると、納得してしまう所が多いです。

振返って様々な技術が「距離と時間」を縮めています。それをスケールの問題として捉え直すという視点、今更ではありますが再考したいと思います。

石鹸石2012年10月12日 23:53

米国のお土産に頂いたSoaprocks
「ほんものそっくり」は日本のお家芸かと思っておりましたら、世界にはこういうものがあったのですね、しりませんでした。
さまざまな美しい結晶そっくりに作られた石鹸です。

soaprocks

soaprocks
積層された感じなんて結晶そのものです。

soaprocks
パッケージされた状態でも、充分に石鹸の匂いが広がっていて、なんとも不思議です。
石鹸として使うほか、トイレタリーの芳香剤替わりに置いておくのも良さそうですね。

地図づくり2012年10月15日 08:43

先月、足掛け二年ほどかけた町内の防災地図が完成しました。最近はその地図の使い方、つまり何かあった時の逃げ方を知る(考える)機会を設けるフェーズになりました。
私の住む地域は地盤が強く山坂擁壁の多い木造低機密密集住宅地で自動車の通り抜けが出来ません。したがってもっとも重大な災害は火事と想定されます。火事の時どう逃げるか、、たったそれだけのことなのですが、多くの要素があり、こうすればよいというものはありません。そもそも「ここにいけば安心と言う情報は危険」なんだそうですね。

では地図なんて作っても意味ないじゃないか、というとそうでもなかったのです。
山で迷ったら尾根に出ろ、とか、見知らぬ街で危険を感じたら明るい方明るい方へ行け、とか、そのような感覚のもっとローカルなものなのでしょうか、個人差もあると思いますが、住み慣れた地元であっても改めて地図に入り込むことでパターンが感じられるようになります。恐らくこれを称して土地勘と言うのかもしれません。
これは「ただ知っている」より柔軟な(メタな)認知ですよね。方向音痴を自認している自分にもそのような感覚が芽生えるのはとても新鮮でした。

「自宅から逃げる」というコマンドを通して、いつもの街をパターン認識してみる、というのは有意義に思いました。
(しかしこれを伝えて行く方法の最適解を今だ見つけられていません・・)
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.