地図づくり2012年10月15日 08:43

先月、足掛け二年ほどかけた町内の防災地図が完成しました。最近はその地図の使い方、つまり何かあった時の逃げ方を知る(考える)機会を設けるフェーズになりました。
私の住む地域は地盤が強く山坂擁壁の多い木造低機密密集住宅地で自動車の通り抜けが出来ません。したがってもっとも重大な災害は火事と想定されます。火事の時どう逃げるか、、たったそれだけのことなのですが、多くの要素があり、こうすればよいというものはありません。そもそも「ここにいけば安心と言う情報は危険」なんだそうですね。

では地図なんて作っても意味ないじゃないか、というとそうでもなかったのです。
山で迷ったら尾根に出ろ、とか、見知らぬ街で危険を感じたら明るい方明るい方へ行け、とか、そのような感覚のもっとローカルなものなのでしょうか、個人差もあると思いますが、住み慣れた地元であっても改めて地図に入り込むことでパターンが感じられるようになります。恐らくこれを称して土地勘と言うのかもしれません。
これは「ただ知っている」より柔軟な(メタな)認知ですよね。方向音痴を自認している自分にもそのような感覚が芽生えるのはとても新鮮でした。

「自宅から逃げる」というコマンドを通して、いつもの街をパターン認識してみる、というのは有意義に思いました。
(しかしこれを伝えて行く方法の最適解を今だ見つけられていません・・)
dmc.
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