「心地よい気配」2009年07月08日 19:22

UIデザインの中で操作音やBGM、ガイダンスの音声など、「音」が必要になることがしばしば有ります。使う方の印象を左右する大切な要素であり、機能面からも重要です。
実際にはデザインされていない音も少なくありませんが、今後はその良さが認められて行くでしょう。私たちもその現場にいたいと思っています。

さて、音に限らずデザインは説明ではなく描写なのですが、音が描写するものとは何でしょう。
私はやはり音ならではの「品質」であり「気配」であると考えています。
例えば車のドアの開閉音はデザインされている音として有名ですね。これは品質を感じさせます。
もうひとつの「気配」とは、例えばPCからわずかに漏れてくる音で状況を察するような、例えば窓の外の音で時間帯を知るようなことです。察する人には意味があり、察しない人には存在を意識する必要がない静かな音のサインですね。

「心地よい気配」

私たちの察する能力を引き出し、心の中にしっくりと落ち着く空気を作る。。デザインがすべきことだと思います。
空間や環境にも関わる大きなテーマですが、真剣に取組むべき時を感じています。
さあ、重い腰を上げてチャレンジしていきましょう。

木陰2009年07月09日 21:38

木陰
ここのところ横浜は、梅雨らしいしとしと降る雨は鳴りを潜め、熱気をはらんだ嵐のような風がふいています。
今日も本当に暑かったですね!少し歩いただけでまとわりつく様な湿気にやられてしまいました。
ちょうど通りかかった公園でほっとひとやすみ。木陰の気持ちよさ、一本の樹のありがたさをしみじみと感じました。

「ひとたびはポプラに臥す」

宮本輝先生のシルクロード旅行記です。長い旅行記ですが、ユーモアの中に来し方まで思い至らせてくれる筆の力に引っぱられる私の大好きな一編です。その中に、街路のポプラの大木が旅人に与えたものについての感慨が書かれていました。

「木陰のやさしさ。」
そういうやさしさをデザインしたいなぁ、、と暑さでぼうっとする中で思っていました。

日食2009年07月10日 19:12

今月22日、日本では46年ぶりに皆既日食が観られるとあって沢山のツアーが組まれたり、観察会が開かれたり、大変な盛り上がりですね。飛鳥IIの世界一周クルーズのクライマックスは洋上観測だそうです。
横浜でも半分以上欠ける部分日食が観られるそうですから、仕事の手を止めてこの目で見ようと思っています。赤外線をカットするフィルターがないと絶対ダメだそうですから、今は購入も無理そうなので自作してみましょう。

自然、天体の不思議に触れるのは色々な感覚を刺激してくれるのがいいですね。

文脈2009年07月13日 21:03

PCのUIに「右クリックメニュー」「コンテクストメニュー」というのがあります。対象物に対する操作を整理したもので、慣れると使い勝手がとてもいいですね。
コンテクストとは操作の文脈に沿う、という意味で命名されたものでしょうか。状況に依って選択肢を変えて提示されると、私たちはホスピタリティを感じますから、余計に効率が上がるのでしょう。

この操作の「状況や文脈に沿う」という思考は、私たちの日本語の思考ではごく自然なものだそうです。
日本語には同じ発音の言葉が多いため、文脈を正しく把握しないと単語の意味が判りません。また、相手との関係性によって意味合いが変わることもあります。故に日本語で考える事は絶えず文脈を慮ることである、と。なるほど、と思います。

「気が利く」という状況をつくるのに、日本語で思考して行く事は理にかなっているのかも知れませんね。
ただ、状況重視も度を過ぎると選択肢過多に陥ってしまいますので、適宜バランスを取って行く必要があります。
気が利く、それでいてシンプルなものを目指して行きたいと思います。

富士山 宝永山 八ヶ岳2009年07月14日 13:33

富士山 宝永山 空撮
今週も2001年12月の写真をご覧下さい。

東斜面に深い雪、宝永山の火口にかかる雲、奥には八ヶ岳が見えています。
やっぱり美しいです。
dmc.
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
「デザインの言葉」 by Fumiaki Kono is licensed under a Creative Commons 表示 - 継承 3.0 非移植 License.