新年 ― 2010年01月05日 10:34
あけまして、おめでとうございます。
本年も倍旧のご愛顧を賜ります様よろしくお願い申し上げます。
昨年は「変わること」を強く意識した一年でしたが、何をどの様に変えて行けばいいのか、慌てふためいて足元をおろそかにすることが無いように、視界を広げ無ければとも思っていました。
その中で感じた事は、誰も幸せにしないプロダクトはやがて消えるというシンプルなルールと、短小のエピソードではなく、長大な物語を語る必要です。商品開発の視点で申し上げれば、「売れる商品」ではなく「そうあって欲しい未来」を語る事です。
今年は大いに「そうあって欲しい未来」を語り、「幸せなプロダクト」をデザインして行きたいと思っています。
本年も倍旧のご愛顧を賜ります様よろしくお願い申し上げます。
昨年は「変わること」を強く意識した一年でしたが、何をどの様に変えて行けばいいのか、慌てふためいて足元をおろそかにすることが無いように、視界を広げ無ければとも思っていました。
その中で感じた事は、誰も幸せにしないプロダクトはやがて消えるというシンプルなルールと、短小のエピソードではなく、長大な物語を語る必要です。商品開発の視点で申し上げれば、「売れる商品」ではなく「そうあって欲しい未来」を語る事です。
今年は大いに「そうあって欲しい未来」を語り、「幸せなプロダクト」をデザインして行きたいと思っています。
細部に宿る ― 2010年01月06日 12:32
正月のお休みに、家族で東京ディズニーランドに出かけました。
子供たちの入念な計画に従って開園前から並び、開門と同時にダッシュして人気アトラクションへ。ファストパスという整理券を活用しながら閉園までフルに駆け回りました。乗ったアトラクションはのべ20個所。こちらでは相当空いている日だったそうですが、それでもこの数はなかなかのモノだと思っております。
さて、ここを訪れるといろいろと感じることがあります。たぶん多くの皆様が既にお感じになられたものと同様だと思いますので詳しくは割愛いたしますが、「徹底して細部にこだわることの凄さ」にいつも心動かされます。
こちらはポップコーンスタンドの飾り柱。
造形もそうですが、メンテナンスの行き届いているのが艶に現れていますね。
こちらは城郭内のモザイク。
写真では判りにくいですが、モザイクの一粒一粒が綺麗でした。
God is in the details
「微に入り細を穿つ」という言葉もありますが、手を尽くしぬかないと開けない世界があるのかもしれません。
ちなみに、今ネットで語源を調べようとしましたら、諸説ある様ですね。
「細部にわたって手を尽くされたものは美しい」というイメージも「神は日常のささいなことにある」という捉え方も、どちらもなるほどと思っています。
ささいな事 ― 2010年01月07日 23:37
今日立ち寄った書店で「微差力」という本を見つけました。
「わずかな微差を重ねる行動が大差になって現れる」という著者の考え方が、口語調で書かれています。独特な言葉使いが少しわかりにくいところもありますが、底辺に暖かいものを感じるため自然に読み進められました。
昨日、細部にこだわる事について書きました。同じ「detail」ですが、こちらは「ささいな事」の意味です。その意味でも「God is in the details」なのですね。
道理をわきまえて少しの改善を楽しく積み重ねて行く、当り前の事を当り前のように行うことができればいい。この教えは今までも多くの方から教わってきたように思います。
著名な経営学者のピーター・ドラッカー氏や松下幸之助氏の著書を拝読しても感じた事ですが、多くの方が「成功の秘訣」として教えて下さることは「当り前の事をしなさい」という一点に集約していそうです。
成功に覇道無し、ということなのでしょうね。
夕暮れ ― 2010年01月08日 18:44
炎の指揮者 ― 2010年01月12日 12:06
みなとみらいホール 2010.1.10
地元小学生の希望者向けの特別公開で、今回はじめての試みだそうです。私は下2人の娘の保護者として同伴させて頂きました。恥ずかしながら今回はじめてコバケンさんのことを知りましたが、世界的な指揮者であり作曲家であります。子供たち以上に楽しみにしていました。
それぞれ準備を進める中にコバケンさんが登場し、挨拶と拍手の練習、子供たちに丁寧ながら威厳のある言葉遣いで語りかけて、音楽の中にある感情表現を具体的に比較して演奏して頂きながら音楽を楽しむことを教えて下さいました。
そして「子供たちへの贈り物」として、演目にはないドボルジャーク<ユーモレスク>とリハを兼ねたヨハン・シュトラウス<こうもり>を通しで演奏。これをわずかな人数のためにもったいない!と思いながら素晴らしい演奏を拝聴しました。
その後、ドボルジャーク<交響曲第9番「新世界より」>のポイントを絞ったリハーサル。この時のコバケンさんの語りかけがとても感動的でした。「〜〜して下さると嬉しいです」「ありがとうございます」ととても優しい口調で、音楽と同じように音楽家への愛情を注いでいられるのだと拝しました。
指揮をされるお姿も「炎」と形容されるに相応しいお方でしたが、愛情がめらめらと燃えていらっしゃるのですね。
そうあって欲しい未来 ― 2010年01月13日 11:11
年頭に「そうあって欲しい未来を!」と意気込みましたので、早速カテゴリー「未来」を作りました。最初は以前にも書きました「芝生の路地」についてです。
冒頭から話が横路にそれますが、私は路地が好きです。旅先の見知らぬ路地に一歩入るだけで、その場所で生活する景色がぱっと広がり、私の想像の及ぶところと及ばないところの境界がはっきりと現れてきます。そしてその境界が寂寥感を生み、我が身を振り返らせ、「ああ、異国なんだ」と感じるのです。ずいぶんと回りくどい話ですが、連想は一瞬にして回路を巡っていくその瞬間こそが私の旅の実感であります。
さて、絵はがきのような美しい小道も、場末の猥雑な突当りも、時が止ったような軒並みも、旅がお好きな方ならそれぞれの魅力を見いだす事でしょう。私も皆様と同じように、それぞれの風景を味わうのですが、どうも地元の人々に愛されているかどうかがとても気になります。そして、私の希望的誤解があるとしましても、地元の方に愛されていると感じる場所が、やはり好きです。
地元の人に愛される場所。
故郷であれば当り前のようでもありますが、今現在のお住まいはいかがでしょうか?
玄関から3分以内が居心地よくなるには、やはりご近所さんとのおつき合いが一番大切なのですが、そのご近所さんと居心地良く過ごせる場所が家の目の前に欲しい、と思います。
その様な考えから出発して、町内会の皆様のお話しなどを伺って思い至ったのが「芝生の路地」です。子供が元気のあまり玄関から裸足で飛び出しても怪我しない(怒られるかもしれませんけれど)、お年寄りがご自分のペースで堂々と歩いていける、忙しい大人は走ってもいい、疲れた人は道ばたに座り込んでもいい、、そんなイメージを描いています。
ところで、読んだのは随分と前のことですが、司馬遼太郎著「草原の記」の中に、モンゴルの人々は草原を決して掘ったり剥がしたりしてはならないとの特別な思いを持っていた、、という著者の気づきが確信を持って語られています。それが故に大帝国でありながら遺跡を残さなかった、という説明になる程と思いました。またそれ以上に、私には「草原」の魅力が伝わって来る視点として心に残っています。
過去記事:新しい「道」芝生の路地
地下鉄淀屋橋駅天井 ― 2010年01月14日 23:45
トンパ文字 ― 2010年01月15日 23:50
我が中国茶の師匠から雲南省のお土産を沢山頂きました。
その中の一つ、トンパ文字のチャームです。
トンパ文字、日本でも一時期流行りましたのでご承知の方も多いことと存じますが、雲南省に住むナシ族のトンパと呼ばれる特別な立場の人に伝承された象形文字です。
象形文字のひとつとされていまが、トンパが自ら作りだすことも多く他の文字のように整然と並べたりしないトンパの書は絵そのものの様です。
江戸時代の案内看板や瓦版に漫画で意味を表したものがありますが、あの大らかでユーモラスな雰囲気に通ずるものを感じます。
以前、トンパの思考をなぞりたくていくつかの文字を創作したことがあります。
「時間の始まりと終わり」という強引な、でも東洋的な世界観をイメージした「史」です。
師匠はだいぶ観光化されたとおっしゃっていましたが、日本の田園風景に似ると言うナシ族の土地は何時か一度旅してみたい所です。
「兆し」に手を ― 2010年01月18日 15:01
いつもお世話になっている、横浜市企業経営支援財団(IDEC)のヨコハマ次世代経営塾の新年会に参加させて頂きました。
S氏が邸宅とお料理と沢山の飲物をご用意下さいました。
Sさんのコレクションで遊んだり、次々と饗される美味しいものに大の大人が大はしゃぎ!(写真も沢山あったのですが、上の写真以外は自主規制しなければならないほど、みな壊れております。楽しかった!)
・・「兆」と言う漢字があります。「兆し(きざし)」とは世の中や環境が変わるちょっとした変化ですが、だれしもこれに気付く事が出来ます。でも気付いた時に、どうするかで変ってくるのです。
「兆」しに「手」をさせば「挑」すなわち「挑戦」になりますが、過ぎゆくままにまかせれば「逃げ」になりますね。
私たちは気づいたことに積極的に手を差し伸べていきましょう。
林先生、砕けておちゃめな所とのギャップが最高です!
Sさん、みなさん、ありがとうございました!
「日本のサービス」 ― 2010年01月19日 23:30
先週末、墨田区の若手経営者のビジネススクール「フロンティアすみだ塾」のバネルディスッションにお招き頂きました。
墨田区役所 13F会議室
遠くに富士山が見えていました。
まず、塾頭の関先生(一橋大学教授)のご講演。中国北部の斉斉哈爾(チチハル)のお話などを通されて、日本の経営者がしなければならない事を簡潔に教えて下さいました。
このお話がとっても面白かったです。
いくつも面白いお話があったのですが、一つご紹介させて頂きます。
丹陽は眼鏡フレームの大産地だそうですが、そこのある大きな会社に、スローガンが張り出されているそうです。そこには、、
1)ドイツの品質
2)中国の価格
3)日本のサービス
なるほど! これをやれたら無敵です。
また思うことは、日本は品質でも価格でもなくサービスの国だということです。これはとても頼もしい事実です。
そういえば、レクサスは「もてなし」をコンセプトにした販売店が人気を得たそうですし、「Customer satisfaction(顧客満足)」という概念は京都の旅館に泊まった経験に着想を得たと伺ったことがあります。
以前、日本製品の特徴である「ファイン」「アノニマス(無名性)」は誠実さから育まれると書きましたが、その心は「もてなし」なのでしょうね。
ご講演の後はパネルディスカッション、グループワーク、交流会へと続きました。「勝てる!」と思う思考と、元気と刺激を沢山頂いて帰って参りました。
関先生、墨田区の皆様、ありがとうございました!
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