「電話番号表示器」2010年11月16日 12:28

電話番号表示器 OKI 赤煉瓦
先月末に伺った帝蚕倉庫の事務所棟は、今は北仲BRICKというアート拠点になっています。

その壁にあった「電話番号表示器」です。4回線を1ユニットにして、表示だけでなく分配機能もあったと予想しますが、、さてどうでしょうか。

意図的に残されたのかは定かではありませんが、往時の事務員さんの視線をいつも受けていた姿が蘇りました。

ソマリア産 フランキンセンス2010年11月17日 18:02

ソマリア産フランキンセンス
香りが好きで、スタジオではお香を焚いたり、家でアロマを焚いてもらったりしています。
写真は最近流行っていると言うフランキンセンス、乳香です。
古代から聖なるものの香りとして尊ばれていて、ヴァチカンでも焚かれているのはこれだとか。
名は乳香ですが、清涼感のある木質の香りです。樹脂が白く固まる姿からその名がつけられたそうです。
ちなみに中国茶の世界で言う乳香は、ミルクのような匂いという意味で、フランキンセンスとは異なります。

さて、このフランキンセンスのパッケージを見て驚きました。「原産国:ソマリア」とあるのです。
子どもの頃、バッタの大群が出ると言うニュースで覚えた国は、男性も女性もスラッとした容姿でどこか東洋的な顔立ちで、密かに憧れていた地でした。
しかし近年は貧困と内戦で名が知られ、人権問題の話題も多く、今も分断されたまま無政府状態が続いています。。

聖なる香りの産地ソマリア。
不幸が少しでもなくなる為に出来る事は何か、、心に収めて行きましょう。

姿勢2010年11月19日 08:44

ご町内のお年寄りで、高齢ながらお元気な方に共通しているのは「大きな声」と「伸びた背筋」です。

大きな声は深い呼吸とともに、強い意思表示があるというのがいい事ですね。声が大きければ「元気がいいね」と言われますし、自分の声が耳に入ることで自身を元気づける効果もあるでしょう。

姿勢の良さは骨格に無理が掛からず、結果健やかに過ごせるというのは実感出来ます。しゃきっとした姿は自信にもなるでしょうね。

先日伺った防犯のお話の中に、姿勢よく歩く、というのがありました。悪い人は堂々としている人より弱々しそうな人を狙うからだそうです。

また、近所に姿勢の良い姉妹がいて、見ていてとても品を感じさせます。ファッションの方向性は問わず、姿勢のいい人は美しさを感じさせるのでしょう。

さて、、プロダクトに限らずUIにおいても、長く使用に堪えるデザインを考えて行く時、目指すスタイルや方向性は問わず無理のない形を志向しますが、この「無理のない形」とは「姿勢の良さ」と理解しています。
そのものの骨格をイメージする意味でもありますし、そのものが人と関わっている時の人の姿勢の意味でもあります。

その意味では、現在の情報機器はまだまだ無理が多い形かもしれません。
・・つまり、まだまだデザインできる、ということですね!

SeCue セキュー2010年11月19日 21:01

沼津の大好きなお店Su-HaのSさんから、素敵なフリーペーパー「SeCueセキュー」が送られてきました。Sさん、ありがとうございます!

SeCue
野菜が美しい!

SeCue
富士山も綺麗です。

美しい写真いっぱいのフリーペーパーは「伊豆発「ひと」と「もの」と「まち」をつなげる紙」をコンセプトに、丁寧に掘り起こした繋がりを丁寧に手作りされた小冊子です。

名前は「積羽沈舟」(せきうちんしゅう)と言う語からとったとか。小さな積み重ねをたゆまずいつか大きな存在となる、という思いが伝わりますね。

SeCue
最新号のテーマは「FARM to HOME」。自分の売る野菜は自分の足で集めるという八百屋さん「REFS」の特集です。八百屋さんといってもそんじょそこらの八百屋じゃないんです。毎朝直に畑に行き、生産者の方に野菜について語ってもらい、その映像を売場で流しているそうです。
素敵な生産者の方々(上の写真)の美味しい野菜を届けるためにたどり着いたと言うスタイル、作る人の誇りと食べる人の安心、届ける人の手応え、、素晴らしいと思いました。

REFSさん以外にも紙面に登場する人たちはみな魅力的でいい笑顔です。
この雰囲気、この居心地の良さはどこかで、、と思ったらSu-Haの空間と同じなんですね!
デザインをされたBACCO Design&Illustrationのサイトからも同じ空気を感じます。
この居心地の良さを作りだす人たちのキーワードは「つなぐ」、です。
繋いで積んで集まって、、魅力的な街になるに違いありません。

SeCue
Sさんのレシピも。これ食べたい!

SeCueはこちらで配布しています。郵送もしてくれるそうです。
お薦めです!

若者の感覚を信じる 自動車の未来2010年11月22日 08:29

私事ですが、私の娘たちはいわゆる「脱ゆとり教育」の移行のただ中にいまして、毎年のように変動するカリキュラムに教師の方々はじめ多くの関係者もとても苦労されているようです。

その中で「ゆとり教育」は反省すべきものとして語られています。報道や論調でも学力や競争力の低下が著しいとされ、購買意欲も少なく内向的であるため、結果国力低下につながる、、そう言われているようです。

私見ですが、ややマイナス面が強調されすぎているように思っています。私の周りだけで申し上げれば、この世代にやさしさ、志の高さ、目標への一途さに目を見張ったことが何回もあります。恐らくは、人を評価する視点そのものが疲弊したのだろうと思っています。あくまで私見ですけれど。。
それぞれの世代には掛替えのきかない一回性の歴史を背景にもつゆえに、それぞれの時代を自分たちで担って行くしかありませんものね。マイナス評価を背負わされたとしてもそれは日本国内だけであり、だからこそ海外に出て行くという行動は理解出来ます。

さて、自動車のデザインに感動しなくなって久しい、とある方がおっしゃっていました。私自身も好きな車は旧車ばかりで、現実に購入した車は好みより現実的な要望に応えたものです。「車の買い方が変わった」と言われればなるほどと思っていました。

しかし、近所の小さな男の子達に触れていると「やっぱり男の子は乗り物が好きなんだなぁ」と感じます。
新幹線、電車、バス、消防車、ゴミ収集車、フォーミュラカー等々。

私は「そうか!」とひとりごちました。「ゆとり」と言われる若者が車を好きにならない本当の理由が、車の方にあるのだと。
彼らが担う時代は彼らの意識と深く関わっているはずで、そのやさしさ、志の高さ、社会的視点から魅力的な車でなければならないのではないか、、そんな風に思ったのです。

私は若い人たちの感覚を信じています。彼らが夢中になって作った車は全く新しい価値を持っている事でしょう。
(そこに何らかの形で参加出来れば嬉しいことは言うまでもありませんね)
dmc.
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